こんにちは。
当記事では、英検2級にギリギリ合格するには何点必要なのか、何問正解で合格するかについて解説していきます。
また、英検2級にぎりぎり合格するだけではなく、先で英検準1級や1級に合格という高い目標を達成したい人におすすめの英語スクールもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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1.英検2級の基本情報
まずは、英検2級の基本情報について確認しましょう。
英検2級 | |
利用目的 | 英語能力の証明など |
開発国 | 日本 |
スコア | 1次試験:1,950点満点 2次試験: 650点満点 合計:2,600点満点 |
合格点 | 1次試験:1,520点 2次試験: 460点 合計:1,980点 |
技能 | リスニング・リーディング スピーキング・ライティング |
傾向 | 日常・ビジネス・専門分野 |
費用 | 本会場:8,400円 準会場:6,400円 |
受験人数 | 約30万人 / 年 |
実施回数 | 3回 / 年 |
期限 | 半永久的 |
英検全体の受験者数は年間約400万人と日本では非常にメジャーな資格試験であり、英検2級の受験者も年間30万人と多くの人が受験しています。
推定で一次試験の合格率が約25%、二次試験の合格率が約80%とされていて、受験者の約5人に1人しか合格できない難関資格です。
英検2級の合格率は低いものの、取得すれば高校受験や大学受験で有利に働く可能性があったり、英検準1級や1級の取得に繋げることで就職・転職などのキャリアアップにも利用することができるため、せっかく受験するのであればしっかりと対策して合格したい資格となります。
2.英検2級の採点方式・合格ライン
次に、英検2級の採点方式と合格ラインについて詳しく解説していきます。
2-① 英検は2016年に採点方式がCSEスコアに変更
英検は2016年に採点基準が「英検CSEスコア」という基準に変更しております。
英検CSEスコア
正式名称:Common Scale for English
グローバル化に伴い、日本で開発された実用英語技能検定・アメリカで開発されたTOEFL・イギリスで開発されたIELTSなど、世界各国の英語試験の国際的な統一基準が必要になったことで生まれたスコア方式。
CSEスコアの導入により、国際標準規格であるCEFRを基準にして、英検・TOEIC・TOEFL・IELTSなど他の英語試験とスコア比較が可能になった。
英検はもともと日本独自の採点基準で合格・不合格を決めていましたが、2016年に国際標準規格のCEFRに対応したCSEスコアを導入したことで、世界的に見て自分がどれくらいの英語力なのか客観的な数値で確認できるようになりました。
英検2級にギリギリ合格するラインを理解するためには、この英検CSEスコアについて理解する必要があります。
2-② 英検2級にギリギリ合格するCSEスコア
まず結論として、英検2級の最低合格点は1次試験が1,520点、2次試験が460点の合計1,980点です。
CEFR | 英検CSE | E英検3級I | E英検準2級 | E英検2級 | E英検準1級 | E英検1級 |
C2 | 3,300-4,000 | 満点 3,400点 | ||||
C1 | 2,600-3,299 | 満点 3,000点 | 合格最低点 2,630点 | |||
B2 | 2,300-2,599 | 満点 2,400点 | 満点 2,600点 | 合格最低点 2,304点 | ||
B1 | 1,950-2,299 | 満点 2,200点 | 合格最低点 1,980点 | |||
A2 | 1,700-1,949 | 合格最低点 1,728点 | ||||
A1 | 0-1,699 | 合格最低点 1,456点 |
(参考:英検CSEスコアとは)
基本的に英検2級合格者はCSEスコア1,980点付近に多くいますので、英検2級は国際標準規格のCEFR B1レベル = 日常的な英会話ならこなせるレベルの英語力の持ち主と評価されます。
ただし、たとえば英検2級で満点の2,600点を取得できるレベルの場合、英検1級の最低合格ラインである2,304点を超えているため、実質的にはすでに英検準1級に合格できる実力であることがわかります。
このように、英検CSEスコアを導入したことで、英検の等級に関係なく客観的に実力を評価できるようになりました。
2-③ 英検2級の問題構成と配点
次に英検2級の問題構成と配点について確認しましょう。
試験形式 | 大問 | E出題形式I | E問題数 | 素点 | ECSEスコア | E合格ライン |
リーディング | 大問1 | 短文の語句空所補充 | 20 | 20 | 650 | 1,520 |
大問2 | 長文の語句空所補充 | 6 | 6 | |||
大問3 | 長文の内容一致選択 | 12 | 12 | |||
ライティング | 大問4 | 英作文 | 1 | 16 | 650 | |
リスニング | 第1部 | 会話の内容一致選択 | 15 | 15 | 650 | |
第2部 | 文の内容一致選択 | 15 | 15 | |||
一次試験合計 | - | - | 71 | 84 | 1,950 | 1,520 |
スピーキング | 音読 | 1 | 5 | 650 | 460 | |
パッセージについての質問 | 1 | 5 | ||||
イラストについての質問 | 1 | 10 | ||||
受験者自身の意見など | 1 | 5 | ||||
受験者自身の意見など | 1 | 5 | ||||
態度 | - | 3 | ||||
二次試験合計 | - | - | 5 | 33 | 650 | 460 |
合計 | - | - | 76 | 117 | 2,600 | 1,980 |
(参考:2級の試験内容)
英検2級に合格するためには、一次試験で満点1,950点の約78%の1,520点以上、二次試験で満点650点の約70%の450点以上を取得する必要があります。
このように記載すると、一次試験は素点84点中、約78%の65問。
二次試験は素点33点中、約70%の23点に正解すれば合格できるように見えますが、注意点2つあります。
この注意点を理解しておかないと、どれくらい正解すれば合格になるのか仕組みが分からないため、次に注意点について解説していきます。
3.英検2級は何問正解でギリギリ合格できるか
英検2級は何問正解でギリギリ合格できるかは、結論から言えば、受験した回によって変わります。
なぜギリギリの合格ラインが毎回変わってしまうのかについて、解説していきまます。
3-① 各技能バランスよく正解する必要性
英検CSEスコアが導入される前の2015年までの英検2級は、苦手な技能があっても、得意な技能でスコアが取れれば合格できる採点基準でした。
たとえば、リーディング38点満点、ライティング16点満点、リスニング30点満点という配分で、84点満点で60点前後が合格ラインとすると、極端な話、ライティングが超苦手で0点でも、リーディングとリスニングで60点以上正解できれば合格となっていたのです。
あるいは、リスニングが超苦手で30点中7点しか取れなくても、リーディングとライティングが満点の54点取れれば全体で61点となり合格するといったように、苦手な技能は捨てても英検2級に合格できてしまう仕組みでした。
ですが、このような採点基準では、英検の本来の「英語4技能の総合的な力を測定する」という目的に合いませんよね。
そこで、CSEスコアが導入されて各技能の配分が650点に統一されたことで、たとえばリスニングが0点だと、リーディングとライティングで全問正解したとしても1,300点しか取得できず、合格ラインの1520点に全く届かない採点基準に変更されたのです。
つまり、どんなに苦手な技能があったとしても、CSEスコアに換算して650点・650点・220点とある程度はスコアを取る必要があるため、英語4技能をバランスよく勉強し、苦手分野をなくす英語学習が必要不可欠となります。
3-② 受験する回によって何問正解すれば合格か変わる
英検CSEスコアの大きな特徴は、同じ正答数であっても受験する回によってスコアが変わることです。
CSEスコアを基準にすれば、一次試験は1,950点中、約78%の1,520点以上を取得すれば合格となります。
ですが、素点で考えると、一次試験の84点中、約78%である66問以上に正解すれば合格するとは限りません。
なぜこのようなことが起きるのかと言えば、その回のテストの難易度や受験者のレベルによって1問当たりのスコアが変わるからです。
たとえば、試験の難易度が極端に難しい回の場合、受験者の正答率が大きく下がり、それだけ1問当たりのスコアの比重が高くなって、素点で言えば84点中45点くらいの正答率でも合格することがあります。
逆に、試験が非常に簡単な時は、受験者の正答率が大きく上がり、それだけ1問当たりのスコアの比重が小さくなって、71問中52問以上正解しても不合格となる場合もあるわけです。
英検2級でギリギリ合格を狙うにしても、リーディングで何問以上、リスニングで何問以上という「何問正解すれば合格か」という計算が全くできないため、周りが正解できる問題は落とさず、それに加えて周りが間違ってしまう問題もできるだけ正解数を増やすという本質的な英語力を身に付けることが重要となるのです。
3-③ 英検2級にギリギリ合格する例
実際に、英検2級にギリギリ合格した例についてご紹介します。
受験回 | リーディング | リスニング | Eライティング | 一次試験 合計 | |||
正答数 | CSEスコア | 正答数 | CSEスコア | 正答数 | CSEスコア | ||
2016年度 第1回 | 25/38 | 515 | 22/30 | 519 | 10/16 | 491 | 1525 |
2016年度 第3回 | 17/38 | 490 | 17/30 | 508 | 13/16 | 547 | 1545 |
2018年度 第1回 | 16/38 | 479 | 22/30 | 545 | 10/16 | 513 | 1537 |
2018年度 第1回 | 17/38 | 484 | 25/30 | 575 | 8/16 | 472 | 1531 |
2018年度 第1回 | 11/38 | 453 | 15/30 | 490 | 13/16 | 578 | 1521 |
2019年度 第1回 | 17/38 | 499 | 18/30 | 499 | 11/16 | 522 | 1520 |
2019年度 第2回 | 23/38 | 517 | 18/30 | 521 | 10/16 | 498 | 1536 |
2020年度 第2回 | 10/38 | 441 | 21/30 | 529 | 12/16 | 554 | 1524 |
こちらの表からも分かる通り、正解数が同じでも回によってCSEスコアが変わります。
また、英検2級に合格するためには得意不得意があるとしても、リーディング・リスニング・ライティングである程度はバランスよく問題に正解する必要があることも分かりますね。
3-④ 公式見解は正答率6割程度
最後に英検公式の見解として、英検2級に合格するためには「各技能6割程度」が目安と公表されています。
上記の理由により、正答数の目安を提示することはできませんが、2016年度第1回一次試験では、1級、準1級は各技能での正答率が7割程度、2級以下は各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格されています。
英検CSEスコアでの合否判定方法について
正答数にするとリーディングが38点中21点、リスニングが30点中18点、ライティングが16点中10点が合格の目安となるわけですね。
各技能によって多少は得点のバラつきがあっても大丈夫ですが、どれほど苦手な分野があったとしても、最低限、4割以上は正解しないと、他の得意分野でカバーできないことを踏まえて、バランスよく英検対策をしましょう。
4.英検準2級の難易度
続いて、英検2級の難易度について確認しましょう。
4-① 英検2級は高校卒業程度
英検公式サイトでは、英検2級を高校卒業程度と評価しています。
級 | レベル | 特徴 |
1級 | 大学上級程度 | 英検の試験において最終目標となる級。広く社会生活で求め られる英語を十分理解し、また使用できることが求められる。 |
準1級 | 大学中級程度 | 最終目標である1級の手前まで着実に力をつけているレベル。 社会生活で求められる英語を十分理解し、また 使用できる ことが求められる。 |
2級 | 高校卒業程度 | 準2級までしっかりつけてきた力を実生活の様々な分野で応用 できる力を身につけている級。 社会生活に必要な英語を理解し、使用できることが求められる。 |
準2級 | 高校中級程度 | 5級・4級・3級と着実に英語の基礎力を身につけ、基本的な 応用力として次の段階へつながる重要な級。日常生活に必要な 英語を理解し、使用できることが求められる。 |
3級 | 中学卒業程度 | 5級・4級で習得してきた基礎力の集大成の級。 身近な英語を理解し、使用できることが求められる。 |
4級 | 中学中級程度 | 英語の学習を始めて最初の目標となる5級の次に目指す級。 簡単な英語を理解することができ、それを使って表現する ことが求められる。 |
5級 | 中学初級程度 | 英語の学習を始めて最初の目標となる級。初歩的な英語を 理解することができ、それを使って表現することが求められる。 基礎的でかつ重要な内容が出題される。 |
(参考:英検について)
高校卒業程度といっても、高校の卒業生の一般的な英語レベルというわけではありません。
社会生活に必要な英語を理解できるレベルを求められることから、広い分野の英語を理解し、話すことができる高い英語力が合格のために必要となります。
4-② 英検2級に必要な単語は約5,100語
英検2級に合格するには、目安として約5,000語の語彙が必要と言われています。
英検 | 単語数 | TOEIC | 単語数 |
1級 | 12,000~15,000語 | 990点 | 13,000語以上 |
準1級 | 7,500~9,000語 | 900点 | 10,000語以上 |
2級 | 約5,100語 | 800点 | 8,500語以上 |
準2級 | 約3,600語 | 700点 | 7,000語以上 |
3級 | 約2,100語 | 600点 | 5,000語以上 |
4級 | 800~1,300語 | 500点 | 4,000語以上 |
5級 | 約600語 | 400点 | 3,500語以上 |
大学受験に必要な英語の語彙が約5,000語、東大合格レベルの語彙の目安が約6,000語と言われていることから、英検2級合格のためには少なくとも大学受験に問題なく対応できるレベルの英単語を覚えるのが望ましいです。
4-③ 社会性の高い分野に対応できる英語力
英検の公式サイトでは、英検2級に合格するためには社会性の高い分野に対応できる力が必要と示唆しています。
審査領域 | 詳細 |
読む | 社会性のある内容の文章を理解することができる |
聞く | 社会性のある内容を理解することができる |
話す | 社会性のある話題についてやりとりすることができる |
書く | 社会性のある話題について書くことができる |
社会性の高い分野は主に学校、仕事、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、海外の文化、歴史、教育、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネスなどのトピックが出題されます。
また、シチュエーションは主に家庭、学校、職場、地域(各種店舗・公共施設を含む)、電話、アナウンスなど多岐に渡ります。
このように、英検2級は幅広いテーマかつシチュエーションの問題を理解し、作文したり質疑応答する総合的な英語力が求められるため、合格率25%という高い難易度を誇っているのです。
5.まとめ:最高の環境で英検2級以上を目指そう
当記事では、英検2級にギリギリ合格するためには何点必要か、何問正解で合格できるかについて解説してきました。
結論としては、各技能満遍なく6割以上の正答率が目安となりますが、受験する回によって難易度や正答率が変わってきますので、その時次第で何問正解する必要があるかも変わってきます。
英検2級のギリギリ合格を目指すのではなく、英検準1級や英検1級への挑戦も見据えて、しっかりと英語力を身に付けられる英語塾に通うことを検討してみてくださいね。