こんにちは。
当記事では、専門実践教育訓練給付金の2回目の支給条件について詳しく解説します。
結論として、専門実践教育訓練給付金の利用に回数制限はありませんが、2回目以降の利用は支給金額の上限など注意すべき点があります。
過去に教育訓練給付制度を利用したことがある人で、更なるキャリアアップのために制度を利用して資格やスキルを身に付けたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.専門実践教育訓練給付金の2回目の支給条件(期間)
早速、専門実践教育訓練の支給条件について見ていきましょう。
1-① 専門実践教育訓練の支給条件(期間)
支給条件は大きく4つのパターンに分けることができます。
専門実践教育訓練 | |
①1回目(在職中) | 雇用保険に2年以上加入 |
②1回目(離職中) | 雇用保険に2年以上加入かつ離職後1年以内 |
③2回目以降(在職中) | 最後の教育訓練給付制度の受講日以降、雇用保険に3年以上加入 |
④2回目以降(離職中) | 最後の教育訓練給付制度の受講日以降、雇用保険に3年以上加入 かつ、離職後1年以内 |
この「2回目以降」というのは、専門実践教育訓練・特定一般教育訓練・一般教育訓練のいずれかを利用した後の2回目の利用という意味です。
つまり、1回目に利用したのが特定一般教育訓練や一般教育訓練の場合、専門実践教育訓練の利用自体は初めてだからといって、雇用保険に2年以上加入していれば専門実践教育訓練を利用できるものではありません。
あくまで教育訓練給付制度の利用回数が基準なので、「特定一般教育訓練⇒専門実践教育訓練」や「一般教育訓練⇒専門実践教育訓練」という順番で利用しても、2回目以降の支給条件が適用されます。
1-② 3年間の支給要件期間
専門実践教育訓練の2回目の利用が可能となるのは、最後に教育訓練給付制度を利用した講座を受講した日から「新たに」雇用保険の加入期間が3年経過してからです。
たとえば、2022年6月30日に専門実践教育訓練・特定一般教育訓練・一般教育訓練のいずれかの制度を利用した講座を修了した場合、2022年7月1日から新たに3年間の雇用保険の加入期間が必要になります。
この場合、最短でも2025年7月1日から2回目の専門実践教育訓練の利用が認められるということですね。
ちなみに、新たに3年間の雇用保険加入期間 = 支給要件期間が必要なのは、教育訓練給付制度の目的が中長期的なキャリアアップ支援だからです。
せっかく制度を利用して新たな資格やスキルを身に付けたのだから、少なくとも3年間はその資格やスキルを利用して就労に励みましょうということですね。
そして、3年が経過して更なるキャリアアップのために新たな資格やスキルが必要になる場合は再び制度を受けられます、ということで3年間の支給要件期間が設定されているわけです。
教育訓練給付制度の財源は雇用保険の保険料なので、しっかりとキャリアアップに貢献する有意義な使い方をしたいという考えの表れでしょう。
2.専門実践教育訓練給付金の2回目の支給条件(金額)
次に専門教育訓練給付制度を2回目以降に利用する際の支給金額の条件について確認しましょう。
2-① 専門実践教育訓練の支給条件(金額)
専門実践教育訓練給付金の基本的な金額は次の通りです。
支給金額上限 | 追加支給 | 合計 | |
1年目 | 40万円 | 16万円 | 56万円 |
2年目 | 40万円 | 16万円 | 56万円 |
3年目 | 40万円 | 16万円 | 56万円 |
4年目 (4年課程のみ) | 40万円 | 16万円 | 56万円 |
合計 | 160万円 | 64万円 | 224万円 |
専門実践教育訓練は通常3年間を上限として、受講料金の50%(年間上限額40万円)が支給される制度です。
資格取得など一定の条件を満たした場合は受講料金の20%(年間上限額16万円)が追加で支給されるため、上限額は40万円×3年間 + 16万円×3年間 = 168万円となります。
基本的には、専門実践教育訓練給付金の上限は3年間で168万円と覚えておきましょう。
ただし、専門職大学の課程など「法令上の訓練期間が最短4年」のカリキュラムを受講する場合は長期専門実践教育訓練に該当し、通常は最大で3年間の支給金額のところ、4年間にわたって給付金を受給できます。
4年課程の場合は40万円×4年間 + 16万円×4年間 = 224万円が支給額の上限となります。
2-② 10年間の支給限度期間
さて、2回目の教育訓練給付制度の利用で専門実践教育訓練の講座を受講する際、10年間の支給限度期間に注意する必要があります。
結論として、1回目に専門実践教育訓練を利用した場合、受講開始日から10年が経過する日までの期間が支給限度期間に設定され、この10年間の専門実践教育訓練給付金の上限は168万円となります。
仮に1回目の専門実践教育訓練で2年間で100万円の支給を受けた場合は、2回目の専門実践教育訓練の支給上限額は68万円となるので注意しましょう。
ただし、10年間の支給限度期間は、あくまで1回目に専門実践教育訓練を利用した場合のみ適用されます。
たとえば、1回目に一般教育訓練給付を利用して10万円の給付金を受け取っていた場合、2回目の給付金は168万円- 10万円 = 158万円となるのではなく、満額の168万円が上限として支給されます。
1回目に特定一般教育訓練を利用した場合も同様です。1回目に特定一般教育訓練で20万円の給付金を受け取っていたとしても、2回目の給付金が168万円 - 20万円 = 158万円となるのではなく、168万円が上限として支給されます。
あくまで、1回目に専門実践教育訓練給付制を利用した場合のみ、10年間の支給金額は168万円が上限となって、1回目に受け取った給付金額との差額が上限になると理解しておきましょう。
極端な話、1回目に専門実践教育訓練を利用して上限の168万円が支給された場合、2回目に専門実践教育訓練を利用しても給付金は0円となります。
参考記事
3.専門実践教育訓練給付金の2回目の支給条件(教育訓練支援給付金)
2回目の専門実践教育訓練給付金の利用の際にもう一点注意すべきなのは、教育訓練支援給付金が利用できないことです。
3-① 教育訓練支援給付金とは
教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練を利用した際に一定の条件を満たす人に追加で支給される給付金です。
専門実践教育訓練は、講座によっては毎日長時間受講する必要があり、働きながら利用することが難しいケースがあります。
十分な蓄えがない方は働かなければ生活できず、「仕事をしないで勉強に専念する」という選択肢を取ることができません。すると、資格やスキルを取得して仕事に就きたいのに、資格やスキルを身に付ける勉強に専念できないというジレンマが発生してしまいます。
そこで、たとえ十分な蓄えがない方でも専門実践教育訓練の講座に集中できるように、失業中の生活をサポートする教育訓練支援給付金が生まれたわけです。
非常に分かりやすく言えば、失業手当の延長線上のようなものです。
失業手当とダブル受給はできませんが、失業手当の期間が終了後、一定の条件を満たす方は、離職直前の6ヶ月間に支払われた賃金額から基本手当(失業給付)の日額を算出して、その約80%(上限あり)が日額で支給されます。
3-② 2回目は教育訓練支援給付金が支給されない
結論として、教育訓練給付制度を2回目に利用する場合は、教育訓練支援給付金は支給されません。
教育訓練支援給付金を受ける条件は次の通りです。
- 専門実践教育訓練の受給資格がある
- 専門実践教育訓練を修了する見込みがある
- 専門実践教育訓練の受講開始時に45歳未満
- 受講する講座が通信制または夜間制ではない
- 受給資格確認時に一般非保険者ではない(離職中限定)
- 会社などの役員に就任していない
- 自治体の長に就任していない
- 今回の専門実践教育訓練の受講開始日前に教育訓練支援給付金をうけたことがない
- 教育訓練給付金を受けたことがない
引用元:専門実践教育訓練の給付金の案内
教育訓練支援給付金を受ける条件の一つが「今まで教育訓練給付金をうけたことがない」ことです。
1回目は「一般教育訓練を利用した」「特定一般教育訓練を利用した」「専門実践教育訓練を利用したけど、教育訓練支援給付金は受け取ってない」といった場合でも、2回目の受講の時点で教育訓練支援給付金の受給資格を喪失するので注意してくださいね。
4.専門実践教育訓練給付金の2回目の支給条件(受給前申請手続き)
専門実践教育訓練を利用する場合は、受講開始日の1ヶ月前までに必要書類をハローワークに提出して、申請手続きを行う必要があります。
基本的に1回目も2回目も手続き方法は変わりありませんが、2回目の申請の際は「再受給時報告」の提出が必要になります。
4-① 受給前申請手続きの必要書類
受給前申請手続きの際に必要な書類は以下の通りです。
- 教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
- ジョブ・カード
- 本人・住所確認書類
- 個人番号(マイナンバー)確認書類・身元確認書類
- 写真2枚(6か月以内の写真、正面上半身、縦3.0cm×横2.4cm)
- 払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード
- 専門実践教育訓練給付及び特定一般教育訓練給付再受給時報告
(過去に制度を利用したことがある場合)
2回目に専門実践教育訓練を利用する場合で、1回目の利用が専門実践教育訓練又は特定一般教育訓練の場合は再受給時報告の提出が必要になります。
なお、1回目に一般教育訓練を利用した場合は再受給時報告の提出は必要ありません。
4-② 再受給時報告とは何か
再受給時報告は、1回目に受講した専門実践教育訓練または特定一般教育訓練の内容と就労効果などに関するアンケートです。
厚生労働省が教育訓練給付制度の効果を検証する調査の一環で、回答は個人が特定されないような形で処理されます。10問程度の簡単なアンケートなので特に身構える必要はありません。
再受給時報告の用紙はハローワークでもらうことができますので、訓練前キャリアコンサルティングを受ける際に貰うのが良いでしょう。
ネット上でダウンロードもできますので、ハローワークで貰い忘れてしまった方は、フォームをダウンロードして記載すればオーケーです。
ダウンロード
【報告様式】専門実践教育訓練給付及び特定一般教育訓練給付再受給時報告
5.おすすめの専門実践教育訓練給付金
最後に、おすすめの専門実践教育訓練給付制度の講座を近年で人気を集めている第四次産業革命スキルを中心にご紹介します。
もし気になるスクールがあれば無料説明会や無料体験を受けて、スクールのサービス内容や雰囲気を確かめてみましょう。
なお、教育訓練給付制度の資格一覧はこちらの記事(教育訓練給付制度の資格一覧【申請方法・利用条件・おすすめ講座を解説】)でも解説していますので併せて参考にしてみてくださいね。
5-①【専門実践訓練】キャリアコンサルタント養成講習(キャリアコンサルタント)
入会金 | 無料 |
受講料金 | 297,000円 |
専門実践教育訓練 給付金 | 50%:148,500円 20%: 59,400円 最大:207,900円 |
総額 (給付金込み) | 89,100円 |
講習 | 土・日・月コース :8時間×10日間 夜間(月水金)コース :2時間×40日間 夜間(火木土)コース :2時間×40日間 午前(火水木金)コース:2時間×40日間 午後(火木)コース :4時間×20日間 |
総学習時間 | 講習(ZOOM):80時間 自宅学習課題 :70時間 合計 :150時間 |
オンライン | オンライン完結 |
キャリアコンサルタント養成講習は、オンライン完結型の講座です。
講習・課題添削・習得度確認試験など全てオンライン対応のため、仕事や子育てで忙しくて通学が難しい方や、地方在住の方でも無理なく受講することが可能です。
受講料金はすべて込みで297,000円で、専門実践教育訓練を利用すれば最大70%の給付金が支給されるため、実質89,100円でキャリアコンサルタント国家試験の受験資格を得ることが可能に。
オンライン完結のため受講料金が安く抑えられており、業界でも最安の部類なのがキャリアコンサルタント養成講習の魅力です。
通常コースは約3 カ月で修了しますが、土・日・祝日コースは計10 回・約1.5カ月でプログラムを修了することができるため、急いで資格取得したい方や短期集中で勉強したい方にもおすすめです。
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キャリアコンサルタント養成講習
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5-②【専門実践訓練】DMM WEBCAMPエンジニア転職(第四次産業革命スキル)
入会金 | 110,000円 |
受講料金 | 就業両立コース:779,350円 専門技術コース:800,800円 |
専門実践教育訓練 給付金 | 50%:400,000円 20%:160,000円 最大:560,000円 |
総額 (入会金・給付金込み) | 就業両立コース:329,350円 専門技術コース:350,800円 |
学習期間 | 就業両立コース:24週間 専門技術コース:12週間 |
オンライン | オンライン完結 |
DMM WEBCAMPエンジニア転職は、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の認定講座であり、近年で注目を集めている第四次産業革命スキル習得講座となります。
特徴はプログラミングスキルを身に付けるだけでなく、ITエンジニアへの転職をサポートしてくれる点で、将来のキャリアを見据えてプログラミングを勉強したい方におすすめ。
受講者の97%がプログラミング未経験者でありながら学習完走率92%と9割以上の人が脱落することなくプログラムを修了しており、初心者でも安心して受講することが可能です。
ITエンジニアへの転職に興味がある方は、無料カウンセリングを受けてみて、サービス内容やスクールの雰囲気を確認してみましょう。
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未経験からIT業界へ転職なら【DMM WEBCAMP】
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5-③【専門実践訓練】Aidemy Premium(第四次産業革命スキル)
入会金 | 無料 |
受講料金 | AIアプリ開発(3ヶ月) :528,000円 AIアプリ開発(6ヶ月) :858,000円 データ分析講座(3ヶ月) :528,000円 データ分析講座(6ヶ月) :858,000円 自然言語処理講座(3ヶ月):528,000円 自然言語処理講座(6ヶ月):858,000円 E資格対策講座(3ヶ月) :327,800円 |
専門実践教育訓練 給付金 | 3ヶ月コース:最大369,300円 6ヶ月コース:最大560,000円 |
総額 (給付金込み) | AIアプリ開発(3ヶ月) :158,400円 AIアプリ開発(6ヶ月) :298,000円 データ分析講座(3ヶ月) :158,400円 データ分析講座(6ヶ月) :298,000円 自然言語処理講座(3ヶ月):158,400円 自然言語処理講座(6ヶ月):298,000円 E資格対策講座(3ヶ月) : 98,340円 |
学習期間 | 3~6ヶ月 |
オンライン | オンライン完結 |
アイデミーは最短3ヶ月間集中でAIプログラミングを習得するオンラインコーチングサービスです 。
通常のプログラミングスクールとは異なり、専属のメンターが受講者の学習進捗管理を徹底して行い、短期間でAIスキルを身に付けることを可能とするのが特徴となります。
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5-④【専門実践訓練】tech boost(第四次産業革命スキル)
入会金 | ブーストコース (Ruby・PHP) :219,780円 ブーストコース (JavaScript+PHP):308,770円 ブーストコース (Java) :675,400円 |
受講料金 | ブーストコース (Ruby・PHP) :405,240円 ブーストコース (JavaScript+PHP):607,860円 ブーストコース (Java) :528,000円 |
専門実践教育訓練 給付金 | ブーストコース (Ruby・PHP) :最大437,514円 ブーストコース (JavaScript+PHP):最大560,000円 ブーストコース (Java) :最大560,000円 |
総額 (給付金込み) | ブーストコース (Ruby・PHP) :187,506円 ブーストコース (JavaScript+PHP):356,630円 ブーストコース (Java) :523,720円 |
学習期間 | 3~12ヶ月 |
校舎 | 渋谷 |
オンライン | オンライン対応 |
フリーランスのエンジニアや、エンジニアとして就職・転職などのキャリアアップを目指す方におすすめのプログラミングスクール「tech boost」。
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5-⑤【専門実践訓練】RUNTEQ(第四次産業革命スキル)
入会金 | 無料 |
受講料金 | 550,000円 |
専門実践教育訓練 給付金 | 最大385,000円 |
総額 (給付金込み) | 165,000円 |
学習期間 | 短期集中 :5ヶ月 働きながら:9ヶ月 |
校舎 | なし |
オンライン | オンライン完結 |
ランテックは、オンライン専門のプログラミングスクールです。
離職中の方は5ヶ月集中で、働きながらプログラミングスキルを身に付けたい方は最大9ヶ月間で、1,000時間という圧倒的なカリキュラムをこなして高いスキルを身に付けるのが特徴です。
「JavaScript」「Ruby」「HTML CSS」など複数にわたるWeb系技術を学習することができ、学習期間から面談を重ねて、転職サポートまでしてくれるのも魅力的。
実践的なプログラミングスキルを身に付けるだけでなく、転職も見据えてキャリアアップをサポートして欲しい方におすすめのスクールです。
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RUNTEQ(ランテック)
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6.まとめ:専門実践教育訓練給付金の2回目の条件に注意しよう
当記事では、専門実践教育訓練給付金の2回目の支給条件について詳しく解説しました。
専門実践教育訓練給付金の利用に回数制限はありませんが、2回目以降の利用は「支給要件期間」「支給金額の上限」「教育訓練支援給付金」など注意すべき点があります。
2回目の利用の際は支給条件に注意した上で、キャリアアップのために習得したい資格やスキルがある方は、上手に専門実践教育訓練を利用しましょう。