こんにちは。
当記事では、英検3級の合格率・合格点(合格ライン)・難易度について解説します。
また、英検3級や先では準2級・2級・準1級などの高い級の合格を目指したい方におすすめの英語スクールもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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1.英検3級の基本情報
まずは、英検3級の基本情報を確認しましょう。
英検3級 | |
利用目的 | 英語能力の証明など |
開発国 | 日本 |
スコア | 1次試験:1,650点満点 2次試験: 550点満点 合計:2,200点満点 |
合格点 | 1次試験:1,103点 2次試験: 353点 合計:1,456点 |
合格率 | 1次試験:約50% 2次試験:約90% |
技能 | リスニング・リーディング スピーキング・ライティング |
傾向 | 日常生活・教育分野など |
費用 | 本会場:6,900円 準会場:5,000円 |
受験人数 | 約60万人 / 年 |
実施回数 | 3回 / 年 |
期限 | 半永久的 |
英検全体の受験者数は年間約400万人と日本で非常にメジャーな資格試験であり、その中でも英検3級の受験者は年間約60万人と全ての級の中で最も受験者数が多い級です。
主な受験者層は小学生・中学生であり、中学受験や高校受験の加点や試験免除などの優遇措置・推薦に利用・面接で英語力のアピールなど様々な使い道がある英語資格となります。
2.英検3級の合格率
基本情報に記載したとおり、英検3級の一次試験の合格率は約50%、二次試験の合格率は約90%です。
しかし、これは英検公式が発表している最新データではなく、あくまで推定の合格率となります。
なぜ合格率が推定の値しかないなのか、その理由について詳しく解説していきます。
2-① 英検3級の最新の合格率は不明
結論として、英検3級の合格率は2016年以降は公表されていません。
こちらの英検公式サイトには「この解答は、日本国内で実施された試験のものになります。合格率、採点などに関するお問い合わせにはお答えできません。あらかじめご了承ください」と記載されています。
公式サイトで公開されていない以上、英検3級の正確な合格率は内部の人しか分からない情報となります。
英検内部の人が機密情報を洩らすことはありませんので、「2016年以降の英検3級の正確な合格率は分からない」が正式な情報となります。
2-② 英検3級の合格率が非公開になった理由
英検3級の合格率が2016年から非公開になった理由は、2016年から英検の採点基準が英検CSEスコアに変更になったからです。
英検CSEスコア
正式名称:Common Scale for English
グローバル化に伴い、日本で開発された実用英語技能検定・アメリカで開発されたTOEFL・イギリスで開発されたIELTSなど、世界各国の英語試験の国際的な統一基準が必要になったことで生まれたスコア方式。
CSEスコアの導入により、国際標準規格であるCEFRを基準にして、英検・TOEIC・TOEFL・IELTSなど他の英語試験とスコア比較が可能になった。
英検はもともと日本独自の採点基準で合格・不合格を決めていましたが、2016年に国際標準規格のCEFRに対応したCSEスコアを導入したことで、自分がどれくらいの英語力なのか世界基準の客観的な数値で確認できるようになりました。
そのタイミングで、採点基準や合格率が非公開となったのです。
ただし、2016年以前と以降で英検3級の合格率を大きく変えると、英検3級の価値が大きく変わってしまいますので、合格率はほぼ変わっていないと推測できます。
そのため、過去の英検3級の合格率を確認することで、現在の合格率がある程度は推定できるというわけです。
2-③ 過去の英検3級の一次試験の合格率は約50%
過去の英検が発表した情報によると、英検3級の一次試験の合格率は約50%、二次試験の合格率は約90%であることが分かっています。
年度 | 一次試験験 | 二次試験 |
---|---|---|
2015 | 52.9% | - |
2014 | 54.6% | - |
2013 | 53.4% | - |
2012 | 55.3% | - |
2011 | 51.6% | 91.2% |
2010 | 53.1% | 92.0% |
実施回によって多少の変動はありますが、2015年に最後に公表された英検3級の一次試験の合格率は52.9%です。
現在の英検3級の合格率が過去と変わらなければ、2016年以降も合格率は約50%で推移していると考えられます。
なお、2次試験の合格率は2012年以降は公表されていませんが、2011年まで約90%で推移しています。一次試験さえ突破すれば大半の人が英検3級を取得できるため、一次試験対策が鍵を握ると言えるでしょう。
3.英検3級の最新の合格点・合格ライン
続いて、英検3級の合格点・合格ラインについて解説していきます。
3-① 英検準2級の最低合格点はCSEスコア1,456点
結論として、英検3級の最低合格点はCSEスコア1,456点、満点は2,200点となります。
CEFR | 英検CSE | E英検3級I | E英検準2級 | E英検2級 | E英検準1級 | E英検1級 |
C2 | 3,300-4,000 | 満点 3,400点 | ||||
C1 | 2,600-3,299 | 満点 3,000点 | 合格最低点 2,630点 | |||
B2 | 2,300-2,599 | 満点 2,400点 | 満点 2,600点 | 合格最低点 2,304点 | ||
B1 | 1,950-2,299 | 満点 2,200点 | 合格最低点 1,980点 | |||
A2 | 1,700-1,949 | 合格最低点 1,728点 | ||||
A1 | 0-1,699 | 合格最低点 1,456点 |
(参考:英検CSEスコアとは)
基本的に英検3級合格者は合格ラインのCSEスコア1,456点付近に多くいますので、英検3級合格者は国際標準規格のCEFR A1レベル = よく使われる日常的な表現や基本的な言い回しはできるレベルと評価されます。
ただし、英検3級の合格点は1,456点~2,200点と幅が広く、CSEスコア1,700点~1,949点の範囲で合格した人はCEFR A2レベル = 日常会話ならできるレベルと評価され、すでに英検準2級に匹敵する英語力の持ち主と言えるのです。
さらに、CSEスコア1,950点以上で合格した場合はCEFR B1レベル = 身近な話題なら英語で対応できるレベルとなり、英検2級に合格できる可能性がある英語力となります。
このように採点基準がCSEスコアに変更になったことで、英検の等級に関係なく、どれほどの英語力の持ち主なのかが分かる仕組みとなっています。
3-② 英検3級の問題構成
次に英検3級の問題構成について確認しましょう。
試験形式 | 大問 | E出題形式I | E問題数 | 素点 | ECSEスコア | E合格ライン |
リーディング | 大問1 | 短文の語句空所補充 | 15 | 20 | 550 | 1,103 |
大問2 | 会話文の空所補充 | 5 | 5 | |||
大問3 | 長文の語句空所補充 | 10 | 5 | |||
小計 | 30 | 30 | ||||
ライティング | 英作文 | 1 | 16 | 550 | ||
Eメール | 1 | |||||
小計 | 2 | 16 | ||||
リスニング | 第1部 | 会話の応答文選択 | 10 | 10 | 550 | |
第2部 | 会話の内容一致選択 | 10 | 10 | |||
第3部 | 文の内容一致選択 | 10 | 10 | |||
小計 | 30 | 30 | ||||
一次試験合計 | - | 62 | 76 | 1,650 | 1,103 | |
スピーキング | 音読 | 0 | 5 | 550 | 353 | |
パッセージについての質問 | 1 | 25 | ||||
イラストについての質問 | 2 | |||||
受験者自身の意見など | 2 | |||||
態度 | 0 | 3 | ||||
二次試験合計 | - | 5 | 33 | 550 | 353 | |
合計 | - | 67 | 109 | 2,200 | 1,456 |
(参考:3級の試験内容)
英検3級に合格するためには、一次試験でCSEスコア満点1,650点の約67%の1,103点以上、二次試験で満点550点の約64%の353点以上を取得する必要があります。
英検の素点からCSEスコアを算出するにあたり、注意点が2つあるので、それぞれ解説していきます。
3-③ 各技能バランスよく正解する必要あり
英検CSEスコアが導入される前の2015年までの英検3級は、苦手な技能があっても、得意な技能でスコアが取れれば合格できるような採点基準となっていました。
たとえば、リーディング30点満点、リスニング30点満点、ライティング16点満点で、76点満点の67%である51点が合格ラインとすると、極端な話、ライティングが0点でもリーディングとリスニングで50点以上正解できれば合格となっていたのです。
ですが、このような採点基準では、英検の本来の「英語4技能の総合的な力を測定する」という目的に合いません。
そこで、CSEスコアが導入されて各技能の配分が550点に統一されたことで、たとえばリスニングが0点だと、リーディングとライティングで満点取ったとしても1,100点しか取得できず、合格ラインの1,103点に届かずに不合格になるという採点基準に変更されたのです。
つまり、どれほど苦手な技能があったとしても、たとえば500点・500点・103点など、ある程度は各技能でスコアを取る必要があるため、英語4技能をバランスよく勉強し、苦手分野をなくす英語学習が大切となります。
3-④ 受験する回によって合格ラインの正答率が変わる
英検CSEスコアの大きな特徴は、同じ正答数であっても受験する回によってスコアが変わることです。
CSEスコアを基準にすれば、一次試験は1,650点中、約67%の1,103点以上を取得すれば合格となります。
ですが、素点で考えると、一次試験の76点の約67%である51問以上に正解すれば合格するとは限りません。
なぜこのようなことが起きるのかと言えば、受験する回の難易度や受験者のレベルによって1問当たりのスコアが変わるからです。
たとえば、試験の難易度が極端に難しい場合、受験者の正答率が大きく下がり、それだけ1問当たりのスコアの比重が高くなって、35問しか正解しなくても合格する場合があります。
逆に、試験が簡単な時は、受験者の正答率が大きく上がり、それだけ1問当たりのスコアの比重が小さくなって、40問に正解しても不合格となる場合もあるわけです。
従って、英検3級対策をする時は、リーディングで何問以上、リスニングで何問以上という計算ができないため、周りが正解できる問題は絶対に落とさず、周りが間違う問題もできるだけ正解数を増やすという本質的な英語力を身に付けることが重要となります。
4.英検3級の難易度
続いて、英検3級の難易度について確認しましょう。
4-① 英検3級は中学卒業程度
英検公式サイトでは、英検3級を中学卒業程度と評価しています。
級 | レベル | 特徴 |
1級 | 大学上級程度 | 英検の試験において最終目標となる級。広く社会生活で求め られる英語を十分理解し、また使用できることが求められる。 |
準1級 | 大学中級程度 | 最終目標である1級の手前まで着実に力をつけているレベル。 社会生活で求められる英語を十分理解し、また 使用できる ことが求められる。 |
2級 | 高校卒業程度 | 準2級までしっかりつけてきた力を実生活の様々な分野で応用 できる力を身につけている級。 社会生活に必要な英語を理解し、使用できることが求められる。 |
準2級 | 高校中級程度 | 5級・4級・3級と着実に英語の基礎力を身につけ、基本的な 応用力として次の段階へつながる重要な級。日常生活に必要な 英語を理解し、使用できることが求められる。 |
3級 | 中学卒業程度 | 5級・4級で習得してきた基礎力の集大成の級。 身近な英語を理解し、使用できることが求められる。 |
4級 | 中学中級程度 | 英語の学習を始めて最初の目標となる5級の次に目指す級。 簡単な英語を理解することができ、それを使って表現する ことが求められる。 |
5級 | 中学初級程度 | 英語の学習を始めて最初の目標となる級。初歩的な英語を 理解することができ、それを使って表現することが求められる。 基礎的でかつ重要な内容が出題される。 |
(参考:英検について)
英検3級は「基礎的な能力」の集大成であり、応用的な内容に繋がる英検準2級や2級への挑戦の準備段階と言えるでしょう。
4-② 英検3級に必要な単語は約2,100語
英検3級に合格するには、目安として約2,100語の語彙が必要と言われています。
英検 | 単語数 | TOEIC | 単語数 |
1級 | 12,000~15,000語 | 990点 | 13,000語以上 |
準1級 | 7,500~9,000語 | 900点 | 10,000語以上 |
2級 | 約5,100語 | 800点 | 8,500語以上 |
準2級 | 約3,600語 | 700点 | 7,000語以上 |
3級 | 約2,100語 | 600点 | 5,000語以上 |
4級 | 800~1,300語 | 500点 | 4,000語以上 |
5級 | 約600語 | 400点 | 3,500語以上 |
一般的に高校受験で必要な英単語量が約2,500語と言われていますので、高校受験に対応できる英語力 = 英検3級とイメージすると分かりやすいと思います。
4-③ 日常生活レベルの英語力
英検の公式サイトでは、英検3級に合格するためには「身近な英語を理解し、また使用することができる」力が必要と示唆しています。
審査領域 | 詳細 |
読む | 身近なことに関する文章を理解することができる |
聞く | 身近なことに関する内容を理解することができる |
話す | 身近なことについてやりとりすることができる |
書く | 身近なことについて書くことができる |
問題は主に家族、友達、学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、自己紹介、休日の予定、近況報告、海外の文化、人物紹介、歴史などのテーマから出題されます。
また、シチュエーションは主に家庭、学校、地域(各種店舗・公共施設を含む)、電話、アナウンスなど多岐に渡ります。
このように、英検3級は幅広いテーマかつシチュエーションの問題を理解し、作文したり質疑応答する基礎的な英語力が求められるため、特に小学生や中学1~2年生で受験する場合は、しっかりとした対策が必要になってきます。
5.まとめ:最高の環境で英検3級以上を目指そう
当記事では、英検3級の合格率・合格点(合格ライン)・難易度を解説しました。
結論としては、受験する回によって素点の合格ラインが変わるため、何問正解すれば良いのかという明確な基準はありません。
英検3級に合格するためには、各技能満遍なくスコアを取るために総合的な英語力を身に付ける必要があります。
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