こんにちは。
当記事では、英語の例文を暗記しない方が良い理由について解説します。
例文暗記では英語が上達しない理由は非常に明確で、暗記作業が膨大になるからです。
「このシチュエーションの時はこの英語を話す」という状況に当てはめた例文を暗記するだけでは、何千、何万の例文を覚える必要がありますが、そんなことは現実的には難しいですよね。
ただし、例文の丸暗記ではなく、文法の型を暗記して状況に合わせて単語を当てはめたり、時制を変化させたりするという勉強法は有効です。
いわゆるパターンプラクティスという勉強法で、これは大人が非母国語を効率的に習得することを研究する「第二言語習得論」でも効果的とされています。
「英語の例文の丸暗記」と「文法の型を暗記」では、似ているようで英語の上達スピードが全く異なりますので、本気で英語を話せるようになりたい方はぜひ参考にしてみてください。
1.英語の例文の暗記をしない方が良い理由
まずは、英語の例文の丸暗記をする勉強はやめた方が良い理由について解説していきます。
1-① 暗記作業が膨大になる
英語の例文を丸暗記すれば、英語を話せるようになると考える方も多いです。
もちろん、電話対応で他の人に繋ぐときに「Please hold on(少々お待ちください)」と言ったり、ビジネスで久しぶりに会った顧客に「How have you been?(最近どうしていますか?)」「It's been a long time(ご無沙汰しています)」と挨拶したりするなど、英語の独特なフレーズを覚えることは会話の引き出しの多さに繋がります。
ですが、全ての会話を例文やフレーズの丸暗記で対応しようとすると、無限にある英文を1つ1つ覚えなければなりません。
たとえば、「寝不足です」という例文を暗記すれば、寝不足の時は自分の状態を表すことができますよね。
しかし、寝不足と言っても「今日はたまたま寝不足」「最近はずっと寝不足」「ちょっとだけ寝不足」「ひどい寝不足」など様々な状態がありますし、そこから派生して「○○時に寝るべきだった」という仮定法や「今日は○○時に寝る」という意思表示など様々な言葉があります。
「寝不足です」というフレーズは言えても、このフレーズを仮定法や未来形など様々な形で言い換えることができなければ、英語を話せる状態とはとても言えませんよね。
何を聞かれても「寝不足です」しか言えないのであれば、自分の状態を正確に表すこともできません。
たとえば、「How are you?」と聞かれて「Good」「Fine」しか答えられない方も多いと思います。本当は疲れていたり、元気がなくても、同じような返答しかできない。
それは、英語の例文やフレーズの丸暗記に頼っており、覚えた英語しか話せないからに他なりません。
じゃあ、暗記量を増やせば良いのかと言われれば、何千も何万も英語の例文やフレーズを暗記するのは現実的ではないため、いつまでも英語を話せるようにはならずに挫折してしまうわけです。
1-② 意思疎通ができない
英語の例文を暗記する勉強法では、いつまでも英語を話せるようにはなりません。
たとえば、100個のフレーズがインプットされているロボットと会話できるかといえば、絶対にできませんよね。
100個のフレーズに対応する質問をすれば答えが返ってきますが、それ以外の質問をしてもフリーズするか、ちぐはぐな答えが返ってくるより他ありません。
フレーズを500個に増やしても1,000個に増やしても対応できる言葉は増えますが、特定の会話しか対応できないという本質的な問題は解決しません。
たとえば、ビジネスで英語を使う場合、自分の意見を論理的に一貫性をもって伝える必要があります。
自分が考えていることを正確に英語で伝えられるようにするためには、英語の例文やフレーズを丸暗記して特定の質疑応答しかできないというアプローチでは不可能ということです。
2.文法の型を覚えるパターンプラクティスは有効
例文の丸暗記に似て非なるものとして「パターンプラクティス」という文法の勉強法があります。
こちらは第二言語習得論でも有効と言われ、パターンプラクティスを活用して英会話能力を伸ばす英語スクールも存在します。
2-① パターンプラクティスとは
パターンプラクティスは、基本的な文法パターンを脳に定着させるトレーニングです。
たとえば、「あなたは何歳ですか?」は「How old are you?」とパッと出てきますよね。
では、「あなたはどれくらいお腹が空きましたか?」は、すぐに言えますでしょうか。
この時、例文の丸暗記をしていると「あなたはどれくらいお腹が空きましたか?」という英語を覚えていない場合は話すことができません。
しかし、パターンプラクティスでは「How 〇〇 are you?」という文法の基本の型を暗記し、○○に適切な単語を入れるだけで表現の幅を大量に増やすという勉強法をします。
○○にお腹が空いたという意味のhungryを当てはめれば良いため、「How hungry are you?」とすぐに状況に対応した英語を話せるようになるわけです。
さらに、「How sick are you?」で「どれくらい具合が悪いですか?」となり、「How busy are you?」で「どれくらい忙しいですか?」になるなど、「How + 形容詞 + 疑問形」という型を覚えれば、主語や形容詞を入れ替えるだけで、大量の表現に対応できるようになるのがパターンプラクティスの特徴です。
2-②【強み①】文章で話せるようになる
英語の例文やフレーズを丸暗記するという勉強法をすると、丸暗記した内容以外の英語は咄嗟に出てきません。
単語を適当に並べて意味を伝えようとするくらいはできるかもしれませんが、それでは自分の考えを正確な文章で伝えることができませんし、相手が優しく対応してくれれば意味を理解しようとしてくれるかもしれませんが、特にビジネスでは全く通用しないでしょう。
しかし、パターンプラクティスで文法の型を身に付けておくことで、英語を正しい文章で話せるようになります。
「こう言いたいときは、この文法の型を使う」と頭の中にインプットすることで、状況に合わせて文法の型を頭の中から引き出してきて、状況に応じた単語や時制に変更するだけでいいわけです。
もちろん、最初は基本の型しか覚えていないため、簡単な文章しか話せませんが、レベルに応じて型を増やしていくことで、話せる表現の幅が広がっていきます。
2-③【強み②】英語をスムーズに話せるようになる
パターンプラクティスで文法の型を身につけることは、「知識の自動化」と言われています。
私たちの脳は一度に処理できる容量に限界があり、英語を聞いて、英語の内容を日本語に翻訳して理解して、言いたいことを日本語で考えて、その日本語を英語に翻訳して話すという一連の作業を瞬時に行うことができません。
ゆっくりとしたスピードで簡単な会話であればできるけど、普通の英会話になると全くついていけなくなってしまうのは、脳のキャパシティ不足が原因の一つなのです。
脳のキャパシティ不足という原因を解決するには、英会話の際にできるだけ脳の負担を減らして、内容に集中できる脳内環境を作り上げることが大切です。
パターンプラクティスで文法の型を身に付けると、言いたいことをイメージした瞬間、文法の型を引き出して単語を当てはめたり時制を変えたりするだけで良いので、脳内処理の負担が大きく減ります。
この知識の自動化により、英語を話すこと自体の負担を減らして、内容を考えることに集中できるようになり、英語をスムーズに話せるようになります。
3.英語の例文暗記からイメージ学習へ
英語を話せるようになりたいのであれば、例文やフレーズの丸暗記ではなく、まずは基礎学習をしっかりと取り組んで「英語を話せるようになるための知識」を身に付ける必要があります。
そして、ただの暗記作業ではなく、英語のイメージを捉える勉強が非常に有効です。
詳しくはこちらの記事(大人からの英語のやり直し・学び直しを丁寧に解説)で解説していますので、さんこうにしてみてください。
3-① イメージを捉える単語学習
単語の暗記学習は英語を話せるようになるために必要不可欠ですが、ただ英単語の意味を日本語で暗記するのではなく、イメージを捉える覚え方をすることで効率性が高まります。
たとえば、「see」「look」「watch」はそれぞれ「見る」と日本語訳できます。
ですが、「see」「look」「watch」は持っているコアイメージが異なります。
「see」は、何かが自然と視界に入ってくるイメージ。
「look」は、意識的に対象に視線を走らせるイメージ。
「watchは、対象に意識を向けるイメージ。
このように、それぞれの単語が持つニュアンスが違うため、たとえば「I saw the guy」なら男が視界に入ってきたイメージで「その男を見かけた」となり、「I looked at the guy」なら意識して「その男に視線を向けた」となり、「I watched the guy」なら男が何をしているのか見続けたというイメージで「その男の挙動を見た」といった意味になります。
このように、単語にはそれぞれコアイメージがあるのですが、単語や例文を日本語で丸暗記すると、本来持っているイメージを捉えることができず、相手が話す内容を誤解してしまったり、自分が英語を話す時に誤解を与えてしまったりと、様々な弊害が出てきてしまうわけです。
3-② 言語学に基づく効率的な文法学習
文法は読む・聞く・書く・話すの4技能に大きく関わる重要な要素であり、英語の根幹とも言えます。
しかし、前述のような英語の例文を暗記する勉強では、本質的な文法力は全く身に付きません。言い換えれば、例文を暗記するような勉強を続けても、英語を話せるようにはなりません。
そこで効果的な文法学習として、パターンプラクティスに加えて、イメージを捉える「認知文法」が有効であることも第二言語習得論で明示されています。
たとえば、「have + 過去分詞」という過去完了形は①継続「ずっと~している」、②経験「~したことがある」、③完了「~したところだ」という3つの意味があって、文脈から推測して3つの意味から選ぶと覚えるのが一般的ですよね。
ですが、単語の組み合わせと意味を一つ一つ暗記していくと「覚える量が膨大になる」「英語のニュアンスと日本語のニュアンスに違いが出て不自然」「変則的な文法に対応できない」など多くのデメリットが生じてしまいます。
一方、認知文法では「have + 過去分詞」を継続・経験・完了という3つの意味に分類するのではなく、「have + 過去分詞」は「過去から現在まで連続して動作・状況が繋がっている」というイメージで捉えます。
haveが過去から現在まで「持っている」という連続するイメージさえ理解しておけば、英語を読んだり聞いたり話したりする際に「have + 過去分詞」を継続・経験・完了という日本語に当てはめて翻訳する必要がなくなり、英語が持つイメージそのまま文章を理解したり話したりすることが可能になるわけです。
ネイティブは単語や文法のコアイメージに従って感覚的に英語を使っているため、認知文法を学ぶことでネイティブ感覚の文法を理解することができるようになり、英語を英語として理解できるようになります。
4.英語の例文暗記に頼らず話せるようになる勉強法
続いて、英語の例文暗記に頼らず、英語を話せるようになる勉強法をご紹介します。
4-① 英語を話せるという基準
英語を話せるようになるということは、例文を丸暗記して、状況に応じて丸暗記した例文をそのまま話すことではありません。
英語を話せるということは、自分の言いたいことを正確な文法で論理的に一貫性をもって話せるようになることです。なおかつ、スラスラと流暢に話せるうえで自然な発音であることが望ましいですよね。
たとえば、英語4技能を測定するIELTSのスピーキングの採点基準を見てみましょう。
採点基準 | 内容 |
fluency & coherence (流暢さ・一貫性) | ・目立った努力を行わずもしくは一貫性を失わずに詳細に話すことができる ・言葉が理由で時折言いよどむことがあり、繰り返しや言い直しがある ・幅広い連結詞や談話標識(文と文との論理的関係を示すことば)を柔軟に使用できる |
lexical resource (語彙力) | ・様々なテーマを論じる際に柔軟に語彙を使用できる ・一般的でない熟語も使用でき、表現や単語同士の組み合わせにも配慮できるが、 不適切な選択をする場合もある ・必要に応じ効果的に言い換えを行える |
grammatical range (文法力) | ・ある程度の柔軟性を持って幅広い複雑な構文を使用できる ・間違いの全くない文章を話せることも多いが、文法エラーは依然として存在する |
pronunciation (発音) | ・幅広い発音の特性を使用できるが、コントロールは不安定 ・特性を効果的に使用できる場合もあるが、一定していない ・概ね理解しやすいが、個々の単語の発音の間違いや不明瞭な音が時おり混じる |
参考:Band_Descriptors_for_IELTS_Speaking_test
この基準は、英語をスラスラと話せるレベルである「IELTS 7.0」を取得するのに求められる能力です。
IELTSの採点基準は「流暢さ・一貫性」「語彙力」「文法」「発音」の4つの要素があり、これら全てを満たすことで英語をある程度は自由に話せるレベルと評価されるわけです。
本気で英語を話せるようになりたい人は、例文の丸暗記という非効率で本質的な英語力が身に付かない勉強法ではなく、「流暢さ・一貫性」「語彙力」「文法」「発音」の4要素を勉強して、英語コミュニケーション能力を向上させる勉強が必要です。
パターンプラクティスや認知文法はこの4要素のうちの「文法」学習でしかなく、他にも様々な勉強を適切に実施しなければ、英語を話せるようにはならないということです。
4-② 独学の限界
結論として、英語の例文暗記に頼らず話せるようになる勉強法はレベルが高いスクールを受講することです。
受験でも資格試験でもスポーツでも、短期間で効率良く成績を伸ばすためには、現在の自分の弱点・苦手分野などの課題を正確に分析して、課題を解決する適切な勉強や練習を実施することが大切ですよね。
なぜ自分が伸び悩んでいるのか、その原因を自分で正確に追求できて、その原因を解決する適切な英語学習を自分一人で続けることができれば、独学でも英語は話せるようになります。
逆に言えば、原因を正確に分析できなかったり、原因を解決できる具体的な勉強法が分からないから、いつまでも英語が話せないわけです。
そして、英語の例文を暗記するという勉強法を実施しようとしている時点で、残念ながら自分の英語が話せない原因をしっかりと分析することも、適切な勉強法を実施することもできず、闇雲な英語学習をしてしまっています。
そこで、本気で英語を話せるようになりたいのであれば、英語を話せない弱点を分析してくれて、その弱点を克服する適切なアドバイスをしてくれるコーチングスクールの受講をおすすめします。
4-③ コーチングスクールがおすすめな理由
当記事でコーチングスクールをすすめて理由は大きく2つあります。
1つ目は、コーチングスクールでは言語学に詳しい専門家が受講者の英語ができない原因を特定し、その原因を解決する具体的な勉強法をアドバイスしてくれること。
英語が話せない人が取り組むべき勉強内容をピンポイントで指導してくれるため、短期間で効率良く英語能力を伸ばすことができます。
そして2つ目は、それぞれのスクールが英語を話せるようになるための明確なコンセプトを掲げていること。
具体的におすすめの6つのスクールのコンセプトを確認しましょう。
スクール | 内容 |
ENGLISH COMPANY | ・言語習得論の専門家による週2回のパーソナルトレーニング ・課題や弱点を解決する最適なインプット学習で3.8倍のスピードで英語を習得 |
LIBERTY | ・受講前半:「グラマーテーブル」で完璧な文法を身に付ける ・受講後半:Speaking & Writingレッスンでネイティブの教養人が使うレトリックや 英米人が好む表現・ボキャブラリーを実践形式で習得 |
STRAIL | 言語習得論の専門家が苦手な原因をピンポイントで特定し、 課題解決に最適なインプット学習のプランを提示 |
トライズ | 日本人コンサルタントとネイティブコーチのサポートで1日3時間の インプット学習を1年間継続 |
スマートメソッド | 80回のレッスンで英語を話す際に一貫性・流暢さ・音韻・表現の幅・ やりとり・正確性の6項目を身に付ける |
マネーイングリッシュ | ・週3回のマンツーマンレッスンで発音学習 ・週1回のグループレッスンで文法学習 |
これらのスクールは、英語を話せるようになるために「論理性」「一貫性」「流暢さ」「ボキャブラリー」などを身に付けて、正しい文法で英語を話せるようになることを目指します。
英語の例文を暗記する勉強法では、当たり前ですが論理性も一貫性も流暢さも表現の幅も身に付くはずがありません。
もし本気で英語を話せるようになりたいのであれば、独学で何となく英語を勉強するのではなく、明確なコンセプトを掲げるスクールで英語指導の専門家に教えてもらうのが最も確実です。
4-④ 最短で英語を話せるようになるおすすめスクール
具体的にはこちらの記事(【超本音で語る】英語コーチングおすすめ22社比較ランキング)でおすすめのスクールをご紹介しておりますので、本気で英語を話せるようになり方はぜひ参考にしてみてください。
【超本音で語る】英語コーチングおすすめ22社比較ランキング
2024/11/27
興味があるスクールがあれば無料カウンセリングを受けてみて、スクールの雰囲気やサービス内容を確かめてみてくださいね。
5.まとめ:英語の例文暗記では英語を話せるようにはならない
当記事では、英語の例文を暗記しない方が良い理由について解説しました。
英語の例文暗記では暗記作業が膨大になるうえ、自分が話したいことを正確な文法で論理的に一貫性をもって話せるようにはなりません。
本気で英語を話せるようになりたいのであれば、自分の英語が話せない原因を特定して、その原因を解決する適切な勉強を継続することが必要不可欠です。
この記事でご紹介した英語スクールは短期集中で英語をはなせるようになる英語学習のサポートをしてくれますので、興味があるスクールがあれば、ぜひ無料体験を受けてみてください。
無料体験を受ければスクールの雰囲気やサービス内容がわかりますので、自分が最も納得できたスクールを受講するようにしましょう。