こんにちは。
当記事では、英検4級にギリギリ合格するには何点必要なのか、何問正解で合格するかについて解説していきます。
実際に英検4級にギリギリで合格した人の報告を集計してデータにまとめましたので、参考にしてみてください。
また、英検4級にギリギリ合格するだけではなく、先で英検3級・準2級・2級などに挑戦したいという目標を持っている人におすすめの英語塾もご紹介しますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
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1.英検4級の基本情報
まずは、英検4級の基本情報を確認しましょう。
英検4級 | |
利用目的 | 英語能力の証明など |
開発国 | 日本 |
スコア | 1次試験(必須) :1,000点満点 スピーキングテスト(任意): 500点満点 |
合格点 | 1次試験(必須) :622点 スピーキングテスト(任意):324点 |
合格率 | 1次試験:約70% |
技能 | 1次試験(必須) :リーディング・リスニング スピーキングテスト(任意):スピーキング |
傾向 | 日常生活・教育分野など |
費用 | 本会場:4,700円 準会場:2,900円 |
受験人数 | 約45万人 / 年 |
実施回数 | 3回 / 年 |
期限 | 半永久的 |
英検全体の受験者数は年間約400万人と日本で非常にメジャーな資格試験であり、その中でも英検4級の受験者は年間約45万人と受験者数が多い級です。
主な受験者層は小学生・中学生であり、中学受験や高校受験の加点や試験免除などの優遇措置・推薦に利用・面接で英語力のアピールなど様々な使い道がある英語検定となります。
なお、スピーキングテストの受験は任意であり、1次試験に合格すれば英検4級保持者として認定されます。
2.英検4級の採点方式・合格ライン
次に、英検4級の採点方式と合格ラインについて詳しく解説していきます。
2-① 英検は2016年に採点方式がCSEスコアに変更
英検は2016年に採点基準が「英検CSEスコア」という基準に変更しております。
英検CSEスコア
正式名称:Common Scale for English
グローバル化に伴い、日本で開発された実用英語技能検定・アメリカで開発されたTOEFL・イギリスで開発されたIELTSなど、世界各国の英語試験の国際的な統一基準が必要になったことで生まれたスコア方式。
CSEスコアの導入により、国際標準規格であるCEFRを基準にして、英検・TOEIC・TOEFL・IELTSなど他の英語試験とスコア比較が可能になった。
英検はもともと日本独自の採点基準で合格・不合格を決めていましたが、2016年に国際標準規格のCEFRに対応したCSEスコアを導入したことで、世界的に見て自分がどれくらいの英語力なのか客観的な数値で確認できるようになりました。
英検4級にギリギリ合格するラインを理解するためには、この英検CSEスコアについて理解する必要があります。
2-② 英検4級にギリギリ合格するCSEスコア
結論として、英検4級の1次試験の最低合格点は622点です。
CEFR | 英検CSE | 英検4級 | 英検3級I | E英検準2級 | E英検2級 | E英検準1級 | E英検1級 |
C2 | 3,300-4,000 | 満点 3,400点 | |||||
C1 | 2,600-3,299 | 満点 3,000点 | 合格最低点 2,630点 | ||||
B2 | 2,300-2,599 | 満点 2,400点 | 満点 2,600点 | 合格最低点 2,304点 | |||
B1 | 1,950-2,299 | 満点 2,200点 | 合格最低点 1,980点 | ||||
A2 | 1,700-1,949 | 合格最低点 1,728点 | |||||
A1 | 0-1,699 | 満点 1,000点 合格最低点 622点 | 合格最低点 1,456点 |
(参考:英検CSEスコアとは)
英検4級はリーディングとリスニングの2技能のみのテストのため、英会話コミュニケーション能力を測定できないため、厳密には国際標準規格のCEFR算出外です。
英検3級からはライティングとスピーキングを含めた4技能のテストとなるため、英検3級からCEFR基準での評価が可能となります。
2-③ 英検4級の問題構成と配点
次に英検4級の問題構成と配点について確認しましょう。
試験形式 | 大問 | E出題形式I | E問題数 | 素点 | ECSEスコア | E合格ライン |
リーディング | 大問1 | 短文の語句空所補充 | 15 | 20 | 500 | 622 |
大問2 | 会話文の空所補充 | 5 | 5 | |||
大問3 | 日本文付き短文の 語句整序 | 5 | 5 | |||
大問4 | 長文の語句空所補充 | 10 | 5 | |||
小計 | 35 | 35 | ||||
リスニング | 第1部 | 会話の応答文選択 | 10 | 10 | 500 | |
第2部 | 会話の内容一致選択 | 10 | 10 | |||
第3部 | 文の内容一致選択 | 10 | 10 | |||
小計 | 30 | 30 | ||||
一次試験合計 | - | 65 | 65 | 1,000 | 622 | |
スピーキング | 音読 | 1 | 5 | 500 | 324 | |
パッセージについての質問 | 1 | 20 | ||||
イラストについての質問 | 1 | |||||
受験者自身の意見など | 2 | |||||
二次試験合計 | - | 5 | 25 | 500 | 324 |
(参考:4級の試験内容)
英検4級に合格するためには、一次試験でCSEスコア満点1,000点の約62%の622点以上を取得する必要があります。
このように記載すると、一次試験の素点で65点中、約62%の40点以上に正解すれば合格と思えますが、注意点が2つあります。
この注意点を理解しておかないと、どれくらい問題に正解すれば英検4級に合格になるのか仕組みが分からないため、次に注意点について解説していきます。
3.英検4級は何問正解でギリギリ合格できるか
英検4級は何問正解でギリギリ合格できるかは、結論から言えば受験した回によって変わります。
なぜギリギリの合格ラインが毎回変わってしまうのかについて、解説していきまます。
3-① 各技能バランスよく正解する必要性
英検CSEスコアが導入される前の2015年までの英検34級は、苦手な技能があっても、得意な技能でスコアが取れれば合格できるような採点基準となっていました。
たとえば、リーディング35点満点、リスニング30点満点の65点満点の62%である40点が合格ラインとすると、極端な話、リスニングが5点でもリーディングで35点正解できれば合格となっていたのです。
ですが、このような採点基準では、英検の本来の「総合的な英語力を測定する」という目的に合いません。
そこで、CSEスコアが導入されて英検4級の問題の配分が500点に統一されたことで、リーディングとリスニングのどちらかのスコアを大きく落としてしまうと、合格ラインの622点に届かずに不合格になるという採点基準に変更されたのです。
つまり、リーディングとリスニングそれぞれある程度は正解する必要があるため、バランスよく勉強して、苦手分野をなくす英語学習が大切となります。
3-② 受験する回によって何問正解すれば合格か変わる
英検CSEスコアの大きな特徴は、同じ正答数であっても受験する回によってスコアが変わることです。
CSEスコアを基準にすれば、一次試験は1,000点中、約62%の622点以上を取得すれば合格となります。
ですが、素点で考えると、一次試験の65点の約62%である40問以上に正解すれば合格するとは限りません。
なぜこのようなことが起きるのかと言えば、受験する回の難易度や受験者のレベルによって1問当たりのスコアが変わるからです。
たとえば、試験の難易度が極端に難しい場合、受験者の正答率が大きく下がり、それだけ1問当たりのスコアの比重が高くなって、素点が30点台でも合格する場合があります。
逆に、試験が簡単な時は、受験者の正答率が大きく上がり、それだけ1問当たりのスコアの比重が小さくなって、素点が40点台でも不合格となる場合もあるわけです。
従って、英検4級対策をする時は、リーディングで何問以上、リスニングで何問以上という計算ができないため、周りが正解できる問題は絶対に落とさず、周りが間違う問題もできるだけ正解数を増やすという本質的な英語力を身に付けることが重要となります。
4.英検4級にギリギリ合格・不合格の例
実際に、ツイッターやブログなどでスコアを開示している人の中から、英検4級にギリギリ合格した方やギリギリ不合格の人の素点とCSEスコアをまとめたので参考にしてみてください。
4-① ギリギリ合格の人の素点とCSEスコア
まずは、ギリギリ合格の人の素点とCSEスコアです。
受験回 | リーディング | リスニング | 一次試験 | |||||
正答数 | 正答率 | CSE | 正答数 | 正答率 | CSE | 素点 | CSE | |
2022年度 第1回 | 19/35 | 54% | 340 | 18/30 | 60% | 294 | 39 | 634 |
2021年度 第2回 | 21/35 | 60% | 324 | 18/30 | 60% | 298 | 39 | 622 |
2018年度 第2回 | 21/35 | 60% | 327 | 21/30 | 70% | 316 | 42 | 643 |
2018年度 第1回 | 16/35 | 46% | 302 | 21/30 | 70% | 334 | 37 | 636 |
2017年度 第2回 | 15/35 | 43% | 299 | 27/30 | 90% | 377 | 42 | 676 |
スコア参考:
素点が37点でも合格している人もいますので、受験する回やスコア配分によっては「素点30点台 = 正解率60%以下」でも十分に合格する可能性があることが分かります。
4-② ギリギリ不合格の人の素点とCSEスコア
次に、ギリギリ不合格の人の素点とCSEスコアです。
受験回 | リーディング | リスニング | 一次試験 | |||||
正答数 | 正答率 | CSE | 正答数 | 正答率 | CSE | 素点 | CSE | |
2022年度 第3回 | 12/35 | 34% | 300 | 21/30 | 70% | 317 | 33 | 617 |
2022年度 第1回 | 28/35 | 80% | 396 | 0/30 | 0% | 0 | 28 | 396 |
2020年度 第3回 | 16/35 | 48% | 304 | 22/30 | 73% | 305 | 38 | 609 |
参考:
前述の通り、素点37点でも合格する例もあれば、素点38点を正解しても不合格となる例があることが分かりました。
このように、受験する回によって素点から算出されるCSEスコアに大きな差がありますので、一概に素点で何問正解で合格・何問間違えたら不合格と判断できない点に注意しましょう。
また、たとえリーディングとリスニングの片方で高スコアを取っても、もう片方の正解率が著しく低い場合は不合格となっていますので、やはりバランスよく正解するのが望ましいと言えます。
4-③ 公式見解は正答率6割
最後に英検公式の見解として、英検4級に合格するためには「各技能6割程度」が目安と公表されています。
上記の理由により、正答数の目安を提示することはできませんが、2016年度第1回一次試験では、1級、準1級は各技能での正答率が7割程度、2級以下は各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格されています。
英検CSEスコアでの合否判定方法について
正答数にするとリーディングが35点中21点、リスニングが30点中18点の合計39点が合格の目安となります。
しかし、先ほどのギリギリ合格者・不合格者の素点からも分かる通り、39点以下の素点でも不合格になるとは限りません。
6割程度というのは、あくまで参考の正答率という認識に留めておきましょう。
5.英検4級にギリギリ合格・不合格のデータ分析
先ほどの英検4級ギリギリ合格・不合格のデータから分かることをまとめましたので、参考にしてみてください。
5-① 素点37点で合格・素点38点で不合格の例
受験する回によっては、素点が39点台で合格する場合もあれば、不合格になる場合があることが分かりました。
これは、受験する回によって難易度や正答率が変わるため、素点1点当たりのCSEスコアが変動することに起因しています。
従って、素点が30点台だからと言って不合格だと諦める必要はありませんが、合格できるとも言い切れませんので、素点は65問中40問以上の正解を一つの目安にするのが良いでしょう。
5-② バランスよく正解するのが望ましい
基本的にはリーディングとリスニングでそれぞれバランスよく問題に正解するのが望ましいと言えます。
不合格の例を見てみますと、リーディングで21問以上 = 正答率70%以上でも、CSEスコアに換算すると310点前後 = 約60%となっています。
合格者の例を見ても、リスニングで27問 = 正答率90%でも、CSEスコアに換算すると377点と約75%となっています。
つまり、素点の正答率がそのままCSEスコアに反映されるわけではないため、片方のパートで正答率70%~90%の高スコアを取得したところで、CSEスコアは思ったよりも伸びず、もう片方のパートで失敗すると不合格になってしまう恐れがあるわけです。
このことからも、リーディングとリスニングでそれぞれある程度は素点を伸ばした方がギリギリ不合格を回避しやすいと言えるでしょう。
5-③ 正答率が40%以下のパートがあっても合格可能
リーディングの素点が16点 = 正答率43%や素点が15点 = 正答率40%となど、片方のパートが4割台でも合格している例があります。
もちろんこのケースでは、リスニングの正答率が70%以上と高スコアを取得しています。
苦手な分野がある場合や試験当日に失敗して片方のパートの正答率が4割台でも、もう片方のパートでスコアを取れれば挽回できますが、やはり最低でも素点で40%以上は正解するのが望ましいでしょう。
6.まとめ:最高の環境で英検4級以上を目指そう
当記事では、英検4級にギリギリ合格するためには何点必要か、何問正解で合格できるかについて解説してきました。
結論としては、リーディングとリスニングで満遍なく6割以上の正答率が目安となりますが、受験する回によって難易度や正答率が変わってきますので、その時次第で何問正解する必要があるかも変わってきます。
確実に合格するためにも、英検4級のギリギリ合格を目指すのではなく、地力で確実に合格できる本質的な英語力を身に付けることを意識しましょう。
また、最後にご紹介したスクールは英検3級以上の合格を目指したい方におすすめですので、興味があるスクールがあれば、ぜひ無料体験を受けてみてください。
色々と体験してみた上で、最終的にスクールを受講するのか、独学を選ぶのか、自分が最も納得できるやり方で勉強するようにしましょう