本コンテンツは一部にPRが含まれています。

英会話

シャドーイングは意味ない?効果なしと言われる理由と解決方法

2022年6月21日

こんにちは。

当記事では、シャドーイングは意味ない・効果なしと言われる理由やシャドーイングの効果的なやり方について解説していきます。

まず結論として、特に初心者の方は独学でシャドーイングを実施することはおすすめしません。

その理由は、シャドーイングは英語学習の中でも非常に難易度が高い勉強法だからです。

最近では様々な英語学習ブログやYoutubeでシャドーイングのやり方が紹介されているため、英語初心者の方もシャドーイングに手を出してしまいがちですが、本来シャドーイングは通訳者の訓練の一つです。

高度な英会話能力を持つ英語通訳者に推奨されているトレーニングなので、シャドーイングに意味がないわけがありません。

ですが裏を返せば、通訳者レベルの英語力を持っていない人が闇雲に挑戦したところで、難しすぎて効果が出ないのは当たり前と言えます。

正しいやり方で実施すれば高い学習効果を得られるのですが、少なくとも初心者~初級者レベルの方が独学で実践するトレーニングではありません。

この記事では、シャドーイングの有用性や難しさを脳科学の知見から解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

関連記事

英語コーチングとは?サービス内容とスクールの選び方を解説

【超本音で語る】英語コーチングおすすめ22社比較ランキング

   

目次

1.シャドーイングの効果について

シャドーイングの効果について

 

まずは、シャドーイングがなぜ英語学習において有用な勉強法と言われているのか、その学習効果についてご紹介します。

    

1-① シャドーイングはリスニング力を鍛える

シャドーイングは、英語の音声を聞きながら同時に発話するトレーニングです。

英語を話すのでスピーキングを鍛える学習に思えますが、実はシャドーイングの本質はリスニング力の強化となります。 

理論的な話をすると、私たちが英会話において英語を聞き取る時の脳のプロセスは「音声知覚」と「意味理解」の2つに分けることができます。

   

音声知覚

音を聞き取る

意味理解聞いた音を脳内で理解する

 

リスニングが苦手な方は、「音声知覚」か「意味理解」のどちらか、あるいは両方に原因があるから英語を聞き取れません。

英語が聞き取れない原因と脳内プロセスを整理すると、次のようになります。

  

 症状原因
音声を聞き取れない
(音声知覚)
ネイティブのリアルな発音に関する知識が少ない
(音の連結・音の脱落・音声変化の理解不足)
聞き取れるけど理解できない
(意味理解)
単語や文法の知識不足
ゆっくりな音声なら分かるが、
長い文章・速い音声は厳しい
(音声知覚 & 意味理解)
脳内処理が追い付いていない

 

3つの症状のうち、シャドーイングは①「音声が聞き取れない症状」と③「長い文章・速い音声を処理できない症状」を解決する学習方法と言えます。

 

1-② シャドーイングで音が聞き取れるようになる理由

シャドーイング

 

ネイティブの英会話の90%は中学レベルの単語が使われているのに、なぜか聞き取るのって難しいですよね。

私たち日本人が英語を聞き取れないのは、実際に話されるネイティブの発音を知らないのが大きな原因と言えます。

たとえば、「彼を説得して~させる」という意味の「talk him into ~」という簡単な英語で考えてみましょう。

「talk him into」という文章の場合、多くの日本人は「トーク ヒム イントゥ」という発音で覚えているでしょう。

ですが、実際の英会話では「トーキミンダ」という漢字で発音されます。

「him」のhの音が脱落して「イム」と発音され、「talk」のkと音が連結して「トーキム」に。

「into」のtがダの音に変化してイントゥがインダに。

さらに「him」のmと音が連結して「トーキミンダ」と発音されるのです。

もっと砕けて話す場合、「into」のtの音まで脱落して「トーキミナ」くらい省略されて発音されることもあります。

このようなリアルな英語の発音を知らないと「トーキミナ? なに言ってるの? どういう意味?」と頭がパニックになってしまいます。

「トーキミナ」という発音と「talk him into」という英文が結びつかないので、読めば誰でも分かるような簡単な英語でさえ多くの日本人は聞き取れません。

こんな感じで、たった3節の単語でさえ、音の脱落やら変化やら連結が起こるのが自然な英会話なのです。

  

英会話

    

「talk him into」という英語を聞き取るためには、音声変化により「トーキミンダ」とか「トーキミナ」と発音されることを知る必要があります。

英語が聞き取れないのは、英語に耳が慣れていないからとか、英語を聞く量が足りないとか、そんな漠然としたことが原因なのではありません。

リアルな発音が身に付いていないことが最大の原因なのです。

日本人はリーディング・ライティング重視の学校教育を受けるため、リアルな発音に関する知識が相当少ないです。

英語を聞き取るために大切なのはリアルな英語の発音を正しく覚えることであり、リアルな発音を覚えるのに最適なトレーニングこそ、英語を聞きながら正確に英語を話すシャドーイングなのです。

シャドーイングは自然な英語の発音を身体に染み込ませるトレーニングですからね。

シャドーイングを徹底的に行うことで、ネイティブの英語を聞き取る「音声知覚」が強化され、リスニング力が身に付くというわけです。

    

1-③ シャドーイングは音声知覚を自動化させる

シャドーイング

  

「ゆっくりの音声ならなんとか聞き取れるけど、長い文章や速い音声は無理!」って人もいるでしょう。

その原因は、英語を聞き取ってから理解するまでの脳内処理のスピードが遅いことにあります。

日本人の多くは「音声知覚」、すなわち、音を聞き取ることに精一杯で、意味理解に脳の力を使えない状態になっています。

  

意味理解・音声知覚
参考:英語学習2.0(116ページ)

  

表の左側の図は、脳内が「音声知覚」でいっぱいいっぱいの状態です。音を聞き取ることに集中していて、聞き取った音を理解する余力が残っていないから、英語を聞き取りながら意味を理解することが難しいのです。

ですが、シャドーイングで「音声知覚」を鍛えると、意識しなくても音を聞き取れるようになるので、脳の力を意味理解に使うことができるようになります。

普段、私たちが日本語で会話する時に、よっぽどうるさい場所でない限り、わざわざ日本語を聞き取る努力なんてしませんよね。それは、日本語を聞き取るプロセスが自動化されているからです。

英語も日本語と同じように、音を聞き取るプロセスを自動化することで、会話の内容に集中できるようになるということです。

 

1-④ シャドーイングで英語の語順に慣れる

英語コーチング

 

もう一つ重要なポイントとして、長い英語の文章を聞き取れるようになるためには、日本語と英語の語順の違いに慣れる必要があります。

そもそも、日本語と英語は全く異なるルーツの言語です。

インド・ヨーロッパ語族の英語はSVOの語順ですが、日本語の語順はSOVのため、英語の文章を最後まで聞かないと日本語に訳すことはできません。

ですが、英会話はどんどん流れていきますよね。1つの英文が終わってから頭の中で日本語に翻訳して文章の意味を理解するなんてことをしていると、あっという間に会話に置いてかれてしまいます。

リーディングなら文章を何度も確認することができますが、実際に会話では「聞き取れなかったので最初から言い直してください!」なんて何度もお願いするわけにもいきません。流れの中ですべて理解していかなければ、英会話をできるようにはならないのです。

つまり、英会話の速度についていくためには、英語の語順のまま英語を理解することがとても重要となります。

シャドーイングは、英語の文法を覚えるトレーニングでもあります。

英文を正確に発話することを繰り返すので、正しい語順が自然と身に付きます。

聞き取った単語の一つ一つを日本語に翻訳して文章を理解するのではなく、英語を塊として記憶するイメージです。

正しい文法が身に付いていれば、主語を理解、動詞を理解、目的語を理解と、会話の流れの中で前から順番に意味を理解していくことが可能となります。

脳内でいちいち英語を日本語に翻訳するのではなく、英語をそのままの順で意味を捉えられるようになることで「音声知覚」から「意味理解」がスムーズになり、長い文章でも問題なく聞き取れるようになるわけです。

   

2.シャドーイングには二種類ある

シャドーイング

 

もう少しシャドーイングについて具体的に解説していきますと、シャドーイングには2種類のやり方があります。

 

プロソディ・シャドーイング

発音を意識する

コンテンツ・シャドーイング意味理解を意識する

  

2-① プロソディ・シャドーイング(中級者向け)

プロソディ・シャドーイングとは、英語の発音に注意を向けて、できるだけ正確に発音を真似をしながら復唱するトレーニングです。(プロソディ(韻律)とは発話のスピード、高さ、強さなどを表しています)

特に、抑揚やリズム、イントネーションなどのプロソディに注意して取り組みむことで、英語の音を聞き取れるようになったり、発音やリズムが改善したりします。

一般的なシャドーイングはプロソディ・シャドーイングのことを指していて、「英語の意味を理解すること」には注意を向けません。

意味を理解しながらシャドーイングをするという最終段階の一歩手前にある、発音改善のトレーニングとなります。

英語のリアルな発音を身に付けることが目的のトレーニングとなりますが、それでも初心者や初級者には非常に難易度が高いと感じるでしょう。

  

2-② コンテンツ・シャドーイング(上級者向け)

コンテンツ・シャドーイングは、文章の意味をイメージしながら復唱するトレーニングです。

流れる文章の意味を理解しながら、スラスラと言葉が出てくるようになるのが目標であり、完全に上級者向けの内容です。

コンテンツ・シャドーイングができるようになると、音声知覚が自動的にできるようになります。脳の力を音声知覚に使わなくて済むようになりますので、リスニングの負荷が大幅に減ります。

そして、コンテンツ・シャドーイングを繰り返し行うことで、単語や文法、イディオム、定型的な表現も自然と定着します。

このレベルになると、音声を聞き取ったと同時に意味を理解しながら英語を話せるようになるでしょう。

ハッキリ言って非常に負荷が高いトレーニングでして、初心者から初級者の方はまず実践不可能です。

ただし、上級者がコンテンツ・シャドーイングを実践すれば、まさに通訳者レベルの英語力を身に付けることができます。

 

3.シャドーイングが意味ない・効果なしと言われる理由

意味ない・効果なし

 

さて、ここから本題ですが、プロソディ・シャドーイングにしてもコンテンツ・シャドーイングにしても、独学では意味ない・効果なしと言われる具体的な理由を解説していきます。

 

3-① 発音が正確ではない可能性が高い

まず、発音の正確性の問題があります。

独学でシャドーイングを実施する場合、「自分の音声を録音をして、元の音声と自分の音声を比較し、間違っている部分をしっかりと改善していく」というような丁寧な作業を繰り返し行わないと、正確な発音が身に付きません。

なんとなくシャドーイングしても正確な発音が身に付かないばかりか、間違った発音が定着する可能性があります。人間の脳はいったん身に付いた発音を強制することが非常に難しいので、そのままずっと正確な発音が身に付かず、リスニングもスピーキングも向上しないこともありえます。

 

3-② スピーキングができていると勘違いする

シャドーイングは英語の音声に重ねて発話するため、なんだか自分がネイティブに近いスピード・ネイテイブに近い発音で話せているように勘違いしてしまう傾向にあります。

しかし、実際のところ、元の音声と自分の音声が混ざっているだけで、自分が上手く話せていると勘違いしているだけの可能性が高いです。自分の英語をしっかり聞いて改善していかないと、いつまでたってもシャドーイングの効果は出ません。

 

3-③ そもそもシャドーイングの目的を理解していない

プロソディ・シャドーイングの目的は発音改善ですが、その根本的な目的は「どの音が聞き取れなかったのか」を見つけることです。

どの音が聞き取れなかったのか、なぜ聞き取れなかったのか、その原因を分析して、苦手な発音を意識して取り組むことで発音が改善され、音が聞き取れるようになるのですが、独学で自分が聞き取れない音を見つけ出すのは困難です。

そもそも発音に関する知識が不足しているから聞き取れないのに、正しい発音や間違っている発音を判断できるはずがありません。

 

3-④ リエゾンやリダクションの知識不足

シャドーイングが難しい理由は、リエゾン(音の連結)やリダクション(音の脱落)、ら行化、弱化などの音声変化を正確に真似する必要があるからです。

ネイティブは感覚的に話していますが、英語の音声が変化するのは様々なルールに基づいています。これらのルールを把握して、頭で理解しながらシャドーイングをすることで、初めて自然な音声が身に付いていくのです。

シャドーイングは何も考えずに、ただ音声の真似をすれば良いという単純な学習ではないことを頭に入れておきましょう。

 

3-⑤ 疲れる上に効果が出るのに時間がかかる

後述しますが、シャドーイングは脳の負荷が高いトレーニングです。

しっかりと意味のあるやり方でシャドーイングをすると、頭がめちゃくちゃ疲れます。その上、毎日シャドーイングを実践しても、効果が出るまでに少なくとも1~2ヶ月はかかります。

疲れる上に効果がなかなか出ないトレーニングを、一人でモチベーションを保って正しいやり方で継続できる人間なんてそういません。

 

3-⑥【結論】シャドーイングをする場合はプロの指導が必須

シャドーイング自体は非常に学習効果が高いトレーニングです。

一方、独学でシャドーイングを行っても意味ない・効果なしという結果で終わる可能性が非常に高いです。そもそも、何日も続けられる人さえいないでしょう。(本当に疲れるトレーニングなので)

そこでおすすめなのが、英語コーチングスクールの受講です。

コーチングスクールは科学的な手法で英語習得を目指す最新型の英語スクールであり、発音の知識を持っているプロの講師がシャドーイングをサポートしてくれます。

正確なサポートがあれば、シャドーイングを正しやり方で実践することができ、短期間で驚くほどの英語力アップの効果を見込めます。

正直、コーチングスクールの受講中はそれなりにキツイと思いますが(脳の負荷が高いトレーニングをするので疲れます)、3ヶ月~半年くらいで英語をそれなりに話せるようになりたいのであれば、コーチングスクールの受講を検討してみてください。

 

関連記事

英語コーチングとは?サービス内容とスクールの選び方を解説

    

4.正しいシャドーイングのやり方

英語コーチング

 

コーチングスクールで実際にどのようなシャドーイングを行うのかイメージしやすいように、シャドーイングの正しいやり方について解説していきます。

繰り返しお伝えしますが、シャドーイングは正しいやり方で実施すれば学習効果が非常に高い反面、初心者~初級者レベルの方にとってはかなり難しい勉強法です。

シャドーイングのやり方を解説しますが、独学で実践するのはおすすめしません。やり方が分かったとしても、特に初心者~初級者の方はシャドーイングを正確に実践できる力がないからです。

英語が話せない人がシャドーイングを実践するならば、英語指導に熟知したプロに添削してもらい、発音の矯正を重ねて自然な英語に近づけていくことが大切であるということを念頭において、参考にしてみてください。

さて、今からご紹介するシャドーイングのやり方は、5つのステップに切り分けて実施する方法です。

   

内容詳細
【ステップ1】
リスニング
・まずは英語の音源のスクリプトを読まずに聞く
・準備運動であり、意味を理解する必要はない
【ステップ2】
マンブリング
・音声を聞きながら、聞き取った音をぶつぶつと呟く
・この時点で正確に発音する必要はない
・聞き取れない英語や、聞き取れたけど意味が分からない英語の発見が目的
【ステップ3】
英文を確認
・音源のスクリプトを読んで、聞き取れていない英語や
 意味が分からない英語を確認する
・この段階で、聞き取れない英語を聞き取れるまで繰り返し聞くのがポイント
【ステップ4】
シンクロ
リーディング
・音源のスクリプトを確認しながら、聞き取った音声を復唱する
・シャドーイングの一歩手前の段階
・音源と同じレベルで話せるようになるまで繰り返し練習
【ステップ5】
シャドーイング
・シンクロ・リーディングが完璧になったら、スクリプトを読まずに音声を復唱
・英語と発音が脳内で紐づいていることを意識

 

シャドーイングのステップを切り分ける手法は、様々な英語コーチングスクールでも実施されています。

なお、この記事でご紹介するシャドーイングのステップは、英語スクール「トライズ」のコンサルタントに伺った話を参考にしていますので、リアルなシャドーイングの実践方法です。

  

【ステップ1】リスニング

まずはリスニングの教材や映画のシーンを使用して、スクリプトを読まずに英語を聞きます。

この段階で意味が理解できなくても問題ありません。準備運動のようなものです。

    

【ステップ2】マンブリング

マンブリングとは、音声を聞きながら、聞こえたとおりの口の中でぶつぶつと呟くイメージです。

大切なのはスクリプトを読まないで実施する点。小声なので自分の言葉が音声を邪魔することがありません。とにかく聞こえる音に集中し、聞き取った音を再現していきます。

聞き取った音を全く声に出さないサイレント・シャドーイングという手法もありますが、小声だとしても音声を発音する方が、自分が発音できる音とできない音が明確になります。

なので通学・通勤の電車や会社の休憩時間のような声を出しづらい環境ではサイレント・シャドーイングも有用ですが、声を出せるのであればマンブリングがおすすめです。

この段階では、「音声が聞き取れて意味を理解できる英語」と「音声を聞き取れない英語」または「音声は聞き取れたけど意味が理解できない英語」を明確にすることを意識しましょう。

  

【ステップ3】英文を確認

教材の英文を読んで、「音声を聞き取れない英語」「音声は聞き取れたけど意味が理解できない英語」の部分を確認します。

ここで発音方法や意味が分からない単語や文法、表現方法があれば調べて理解し、英文全体の発音と意味が分かる状態にします。

この段階で、英文を見ながら音声を流し、聞き取れなかった音が聞き取れるようになるまで繰り返し聞くことがポイント。

ここまでがシャドーイングの準備段階です。

      

【ステップ4】シンクロ・リーディング

パラレル・リーディングとも呼ばれる、シャドーイングの一歩手前のトレーニングです。

教材の英文を見ながら、聞き取った音声を真似して復唱します。スクリプトはあくまで補助的なもので、重要なのは音声のスピードに付いていくことと、英語のリズムやイントネーション、強弱、音の連結などを意識して、限りなく聞こえた音をと同じ英語を発話することです。

スムーズに発音できない部分やスピードに付いていけない部分があると思いますので、音声と同じレベルで話せるようになるまで繰り返すことが大切です。

   

【ステップ5】シャドーイング

最後にシャドーイングです。英語の音声だけ流しながら、同時に復唱していきます。

まずは、プロソディ・シャドーイングで英語と発音を脳内で紐づけることを意識していきましょう。

プロソディ・シャドーイングで発音が身に付いてきたという実感があれば、コンテンツ・シャドーイングに移行して発音と意味を紐づけていくイメージです。

  

5.シャドーイングにおすすめの教材

シャドーイングにおすすめの教材

 

シャドーイングを実践する際、TEDという海外の著名人によるプレゼンテーションの動画を利用することが多いです。

TEDとは「Technology Entertainment Design」の頭文字をとったもので、学術やエンターテイメント、社会課題、デザインなど様々な分野で活躍する著名人を講師として招き、プレゼンテーション主催している団体となります。

TEDの精神として”Ideas worth spreading”とある通り、プレゼン内容は知的好奇心が刺激されるものばかり。

英語コーチングスクールの「プログリット」のシャドーイングの教材としても使われている有名な教材となります。

 

5-① なぜTEDがおすすめなのか

TEDは英語と日本語の正確なスクリプトが用意されていて、音声速度の調整も可能です。0.5倍速でゆっくりと発音を確認することもできますよ。

ビジネスや自己啓発、研究など、内容も非常に面白い動画がたくさんありますので、英語の勉強と同時に知識を身に付けることができるのも魅力的です。

 

  

5-② TEDを使ったシャドーイング方法

TEDを使った基本的なシャドーイングのやり方は次のとおりです。

  

  1. 音声を集中して聞く
    (リスニング・マンブリング)
  2. 文章を読んで分からない単語や文法を調べ、意味を理解
    (英文を確認)
  3. 音の変化チェック
    (英文を確認)
  4. スクリプトを見ながらオーバーラッピング
    (シンクロ・リーディング)
  5. 英文も見ずにシャドーイングを繰り返す
    (プロソディ・シャドーイング)

 

ただなんとなくYoutubeから流れてくる音声の真似をするだけでなく、英語特有の音声変化を理解して、正確に発音を真似することを意識しましょう。

  

6.シャドーイングで口が回らない原因

シャドーイングで口が回らない原因

 

シャドーイングを実践する人の多くが直面する問題として「シャドーイングで口が回らない」ことが挙げられます。

その原因は大きく「音声変化の理解不足」「スピードについていけない」「内容が難しすぎる」の3つに分類することができます。

一つずつ見ていきましょう。

 

6-① 音声変化の理解不足

口が回らなくなる最も大きな原因は、英語独特の音声変化に対応できていないからです。

たとえば、「What kind of food does he like?」という例文を読む時、多くの日本人は「ワッツ カインド オブ フード ダズ ヒー ライク」と一語一語丁寧に読むと思います。

ですが、実際は「ワ カインナ フード ダズィ ライク」くらい音声の変化があります。

ここで起きているのは、whatのtの音の脱落、kind ofのdとfの音の脱落と連結、heの弱系と様々な音声変化です。

たった7単語の簡単な英文ですら、様々な種類の音声変化が起きるのが実際の英会話なのです。

この音声変化に対応できず、一語一語発音しようとすると、全く口が回りません。口が回らないのは当たり前なのです。なぜなら、ネイティブは圧倒的に発声する音が少ないから。

音声変化が起きるのは、できるだけ発音を少なくしたいからです。話しやすいように楽をしたいから、どんどん単語同士が連結し、音が脱落し、発音しにくい音は発音しやすい音に変わるのです。

英語の音声変化を簡単にまとめると、次の通りとなります。

 

 内容
音の連結
(リンキング)
2つの音が繋がるwhat I :「ワット アイ」
⇒ 「ワッタイ」
音の同化
(アシミレーション)
2つの音が繋がり、
音声変化する
want to:「ウォント トゥ」
⇒ 「ワナ」
音の脱落
(リダクション)
発音が省略されるgood morning:「グッド モーニング」
⇒ 「グッ モーニン」
フラップのt
(ら行化)
tの音が「ラ行」や
「ダ行」に変化
get out:「ゲット アウト」
⇒ 「ゲッラウト」
弱形弱く発音されるhim:「ヒム」
⇒ 「ィム」

 

こんな感じで、英会話は単語レベルで本当に様々な音声変化が起こっていて、そのほとんどは音声の短縮に繋がっています。

英語をすべて丁寧に発音しようとするから、口が回らない。

これがシャドーイングで口が回らない最も大きな原因となります。

 

6-② スピードについていけない 

続いて考えられる原因が、シャドーイングの素材の音源が早すぎてついてけないことです。

たとえば、シャドーイングの音源としてよく使われるYoutubeのTEDのような教材は、英語ネイティブが専門的な分野のスピーチを行っています。

英語を話せない人間が、専門性の高い英単語が多く使用されるスピーチを教材に利用し、ネイティブのスピードでネイティブ特有のリズムやアクセント・音の強弱・イントネーション・呼吸のタイミングなどを完璧に真似できるはずがありません。

教材と自分のレベルが合っていないと、音源が早すぎてついて行けずに噛んでしまったり、そもそも何を言っているのか分からなかったりと、口が回る、回らない以前の問題となります。

 

6-③ 音源の内容が難しすぎる

シャドーイングを実践する時、なんとなくカッコいい英語のスピーチを真似したくなると思います。

モチベーションを上げてトレーニングをするという意味では悪くはありませんが、普段は使わないような専門的な英単語が頻出する教材を使用しては口が回らなくなるのも当然でしょう。

もしシャドーイングを独学で実践する場合は、英単語帳や文法テキストに付属しているような中学生レベルの簡単な英語が使われている音源をしようしましょう。

まずは簡単な音源をシャドーイングできるようにならないと、高度な内容で口が回るようにはなりません。

 

6-④ 一つの音源を完璧にやっていない

独学でシャドーイングをしている人にありがちですが、一つの教材を徹底して行わず、どんどん新しい音源のシャドーイングに挑戦しようとする人がいます。

こういう人は、シャドーイングは量をこなせば上達すると勘違いしてしまっているのですが、そもそも、シャドーイングの目的を理解できていないと言えます。

もちろん、多くの英語に触れることは大切なことですが、それは音読や多読など量をこなすべきトレーニングでやることです。

前述の通り、シャドーイングは聞き取れていない音を発見し、その音を聞き取って正確に発音できるようになることを目的とします。

一つの音源を完璧に再現できるようになって、やっと口が回る状態と言えますよね。その状態になるまでに、同じ音源を100回、200回と繰り返す必要性があります。

それなのに、シャドーイングの本質を見誤って、好きな音源を見つけてはなんとなくその音源を真似するというやり方をしては、口が回らないのはもちろん、口が回らない原因も分からないままですし、ずっと口が回るようになりません。

ようは、全く無駄なシャドーイングを延々とこなすことになります。

口から自然に音源と同じスピード、同じ発音でスラスラと出るようになるまで、1つの音源を集中的に繰り返すことが非常に重要なのです。

 

7.独学のシャドーイングを初心者におすすめしない理由

独学のシャドーイングを初心者におすすめしない理由

 

ここまでの解説で、シャドーイングは初心者・初級者にはかなり難易度が高い理由が分かってきたと思います。

ここからは少し視点を変えて、脳の動きからもシャドーイングの難易度が高い理由を紹介していきます。

 

7-① 脳はリスニングをする時に運動する領域が活性化する

アメリカの有名な雑誌「Nature」に掲載された脳科学の研究論文によると、英語をリスニングする時に脳は運動領域が活性化し、無意識に発音をしているということが判明しているようです。

  

リスニング

参考:Listening to speech activates motor areas involved in speech production

 

ちょっと分かりづらいかもしれませんが、図の黒く囲われている運動領域が赤くなっているので、リスニングをすると運動、すなわち、「聞いた音を発声するイメージ」をしているという結果が出ているのです。

つまり、リスニングを鍛えるためには、聞き取った音を実際に発音することが重要だと考えれらます。

聞き取った音を真似して復唱するシャドーイングは、脳科学の知見からも非常に有効であることが明らかになっているわけですね。

 

7-② シャドーイングは脳に高い負荷を与える

シャドーイングの負荷

参考:英語シャドーイングが英語読解プロセスに与える影響:近赤外分光法による脳内処理メカニズムの検討 

 

上の写真を見てみると、シャドーイングを実施している時は脳が真っ赤に染まっていて、明らかに高い負荷がかかっています。

シャドーイングは「英語の音声を聞く」「音声を記憶する」「音声を口に出して再現する」「自分が口にした英語を聞く」という4つの脳内処理を行う必要がありますので、脳をかなり使うトレーニングなのです。

そもそも、シャドーイングは負荷が高いトレーニングなのに、英語初心者は同時並行で単語や文法なども覚えていかなくてはなりません。

1日に2時間も3時間も脳が疲れる学習を独学でやり続けるのは、めちゃくちゃストレスがかかります。

独学でシャドーイングを何ヶ月も続けられる人はほぼいません。それくらい、脳が疲れるトレーニングだからです。

シャドーイングは英語を短期間で身に付けられる学習方法ではありますが、もしシャドーイングを実践したいならば、私はシャドーイングを指導してくれる英語コーチングスクールの受講をおすすめします。

シャドーイングは正しいやり方で、3ヶ月、4ヶ月と継続して初めて効果が最大限に発揮されるトレーニング方法なので、専属のトレーナーにサポートしてもらった方が確実です。

コーチングスクールに通っても脱落する人がいるくらいハードな内容ですから、1人で出来ると楽観視はしないようにしましょう。

 

7-③ シャドーイングにおすすめのスクール

シャドーイングで高い学習効果を得るには、専属コンサルタントが毎週のカウンセリングや毎日の音声添削でシャドーイングを確認してくれる英語コーチングスクールの受講がおすすです。

具体的にはこちらの記事(【超本音で語る】英語コーチングおすすめ22社比較ランキング)でおすすめのスクールをご紹介しておりますので、本気で英語を話せるようになり方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

8.まとめ:正しいシャドーイングで英語力を身に付けよう

正しいシャドーイングで英語力を身に付けよう

  

当記事では、シャドーイングの効果、やり方、おすすめの英語クールを紹介しました。

独学ではかなり難しいシャドーイングですが、プロフェッショナル講師のサポートのもと、正しい方法で実施すれば本当に英語力は劇的に変わります。シャドーイングを実施する前とした後では聞き取れる英語の量がまるで違いますし、意味も自然と頭に入ってくるようになりますから。

紹介した英語スクールでは、英語に熟知したプロフェッショナルな講師が正しいシャドーイングのやり方を教えてくれます。

添削と改善を繰り返すことで、独学とは比較にならないほど早く英語力が身に付きますので、ぜひ、気になったスクールの無料カウンセリングを体験してみて、その雰囲気やサービス内容を確認してみてくださいね。

    -英会話