社会人

本コンテンツは一部にPRが含まれています。

英会話

社会人が英語の勉強をゼロから始める最適な方法【2024年最新】

2022年10月13日

こんにちは。

当記事では、社会人が英語の勉強をゼロから始める最適な方法について解説します。

まず結論としては、本気で英語を話せるようになりたい場合は、専属コンサルタントがついて丁寧に英語学習をサポートしてくれる「英語コーチングスクール」の受講がおすすめです。

社会人になってゼロから英語の勉強をするという初心者が、独学やオンライン会話に挑戦しても、大半の場合は英語学習に挫折します。

なぜなら、日本語と英語は根本的に言語構造が異なるため、ゼロから英語を勉強するレベルの初心者が一人で英語を話せるようになるのは難しすぎるからです。

英語を趣味で勉強したい方や数年かけてゆっくりと勉強したい方は独学やオンライン英会話を利用するのも一つの手ですが、できるだけ短期間でビジネスでも通用する英語力を身に付けたい場合は、英語指導のプロにサポートしてもらうことをおすすめします。

この記事では、社会人で英語の勉強をゼロから始める方におすすめのスクールも詳しくご紹介しますので、本気で英語を話せるようになりたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。

なお、結論である短期間で英語を話せるようになるおすすめの英語スクールの詳細を知りたい方は、こちらの記事(【超本音で語る】英語コーチングおすすめ22社比較ランキング)をご参照ください。

 

  

目次

1.社会人が英語の勉強をゼロから始める時の目標【英会話】

社会人が英語の勉強をゼロから始める時の目標

 

社会人が大人になって英語をゼロから勉強する際に、まず大切なのは目標設定です。

当然ながら、目標によって勉強する内容も時間も最適な学習手段も変わってきます。

たとえば、英語を話せるようになると言っても、日常会話レベルを目指すのか、ビジネスでも通用するレベルを目指すのかによって学習内容は変わりますし、TOEIC・TOEFL・IELTS・英検などの資格試験はそれぞれ役立つ機会が異なります。

そこで、大人になって英語の勉強をやり直すにあたって、まずは英語を話せるようになりたい場合の具体的な目標を決めきましょう。

    

1-① CEFRで目標を明確にする

前述の通り、英語を話せるようになると言っても、日常会話がギリギリできるレベルから、専門的な難しい議論もネイティブ並みに話せるレベルまで様々です。

そこで、まずは「英語を話せるようになりたい」という漠然とした気持ちをから明確な目標を設定しましょう。

目標設定として一つの参考になるのは、CEFRと呼ばれる国際的な基準です。

 

CEFRとは

「Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment」の頭文字をとった略称であり、2001年に欧州議会で発表された「言語能力の共通の国際標準規格」。

簡単に言えば、英会話がどれくらいか通じるのか判定するために設けられた国際基準。

A1~C2の6段階で英会話能力が評価される。

参考:資料4 各資格・検定試験とCEFRとの対照表(文部科学省)

  

日本ではあまり馴染みがありませんが、国際的にはTOEICよりも遥かにメジャーな英語力を示す指標となります。

ただし、CEFRは履歴書に書けるような資格試験ではありません。

たとえば、英語スクールを受講した時に講師が英会話力を判定するために使われたり、TOEIC・TOEFL・IELTS・英検などのスコアから算出したりと、あくまで参考の目安となります。

さて、CEFRは6段階に分かれていますので、まずはそれぞれのレベルの英会話力を確認しましょう。

    

1-② CEFR A1【基礎段階の言語使用者】

CEFR A1は超初心者レベルです。

大人で英語の勉強をゼロから始める人は基本的にはCEFR A1で、相手がゆっくりはっきりと話してくれれば、簡単な英語のやり取りくらいはできるくらいのレベルとなります。

日常会話も普通にこなすのは難しいので、まずは基礎となる単語・文法・発音の学習が必須です。

  

1-③ CEFR A2【基礎段階の言語使用者】

CEFR A2は初心者~初級者レベルです。

日常会話の簡単なやり取りなら英語で話すことができ、家族についてや仕事についてなどの自分に関する内容を簡単に紹介することができるくらいの英語力となります。

CEFR A2でも、日常会話をスラスラと話すことが困難なレベルなので、引き続き基礎学習の単語・文法・発音の知識を深めるインプット学習が必要不可欠です。

  

1-④ CEFR B1【自立した言語使用者】

CEFR B1は初級者~中級者レベルです。

身近な内容や簡単な仕事の内容であれば簡単な英語で意思疎通ができたり、海外旅行なら問題なくできるくらいの英語力の持ち主と言えます。

たとえば、仕事で簡単な挨拶や電話対応くらいは可能ですが、英語の会議や出張などはまだ難しいので、仕事で通用する英会話力を身に付けたい方は更に上のレベルを目指しましょう。

なお、この段階でも単語・文法・発音などの基礎学習は必要不可欠です。

また、リーディング・リスニングなどのインプット学習を大量に行うことで、英語を話すための知識を身に付けることが重要となります。

  

1-⑤ CEFR B2【自立した言語使用者】

CEFR B2は中級者レベルです。

自分の仕事など自分が関わっている分野については、専門的で複雑な議論をできる英語力の持ち主で、英語ネイティブとも緊張せずに英会話をできるくらいの実力が身に付いています。

もちろん、ネイティブレベルはまだ遠いですが、ビジネスでも十分に通用する英語力の持ち主なので、社会人で英語をゼロから始める人はCEFR B2を最初の目標にすることをおすすめします。

  

1-⑥ CEFR C1【熟練した言語使用者】

CEFR C1は中級者~上級者レベルです。

自分が関わっていない分野でも専門的で複雑な議論が可能であり、流暢で自然な英語を話すことができます。

英語圏での仕事や研究なども全く問題ない英語力の持ち主ですが、ゼロから勉強するのにこのレベルをいきなり目標とすると、目標が遠すぎて挫折する恐れがあります。

もちろん、高い目標を掲げた方がやる気が出る方もいると思いますが、CEFR C1を目指すならば正しい英語学習方法で数年間は勉強する必要があることを念頭におきましょう。

  

1-⑦ CEFR C2【熟練した言語使用者】

CEFR C2は、ほぼネイティブレベルの実力者です。

ほぼ全ての内容に関して簡単に理解し、複雑な内容でも論理的に一貫した英語を話すことが可能となります。

大人の初心者からいきなりネイティブレベルを目指すのは現実的ではありませんので、まずはCEFR B2、C1を目標として英語を勉強し、更に高みを目指したい場合はCEFR C2を目指していきましょう。

  

1-⑧ おすすめの目標はCEFR B2レベル

もちろん目標は人それぞれ異なりますが、社会人が英語をゼロから勉強する場合、当面の目標は、CEFR B2 = 「自分の専門分野なら複雑な議論ができるレベル」を目指すのがおすすめです。

このレベルであれば、仕事など自分に関係がある分野であれば問題なく英語を話せますので、「英語が話せない悩み」が解決された状態と言えます。

CEFRのC1、C2はネイティブとも問題なく英語で話せるレベルですが、英語が話せない状態からそのレベルに到達するまでは何年もかかります。

いきなりネイティブレベルという身の丈に合わない目標を立てると挫折する可能性が非常に高いので、まずは現実的なCEFR B2レベルを目指しましょう。

 

2.社会人が英語の勉強をゼロから始める時の目標【資格試験】

社会人が英語の勉強をゼロから始める時の目標【資格試験】

 

英会話目的ではなく、社会人でキャリアアップのために資格試験を勉強したい人もいると思います。

そこで、資格試験を目指す場合も、まずはどの試験でどれくらいのスコアを目指せば良いのか、最初に目標を明確にしておくと、学習内容や学習方法が自然と決まります。

  

2-① 資格試験の比較表

まずは、各資格試験の比較表を参考にしてください。

  

CEFRTOEICTOEFLIELTS英検
C2- 8.5~9.0 
C1945点~95~1207.0~8.01級
B2785点~72~945.5~6.5準1級
B1550点~42~714.0~5.02級
A2225点~ 3.0準2級
A1120点~ 2.03-5級

  

社会人がゼロから勉強を始める際におすすとした目標のCEFR B2 = ビジネスでも通用する英語力は、たとえばTOEICなら800~900点台、英検なら準1級に相当する実力なので、十分に高い英語レベルであることが分かりますね。

 

2-② TOEIC【ビジネスパーソンにおすすめ】

TOEICは日本で最もメジャーな英語レベルの指標ですね。

就職や転職の採用基準としてTOEICのスコアが規定されている企業も多いですし、昇格や海外転勤の条件にTOEICのスコアが使われることもあります。

日本の企業のキャリアアップに最も直接的に役立つ資格試験はTOEICのため、なにか英語の資格試験を勉強して年収を上げたり、英語に関わる仕事をしたい場合は、まずはTOEICの高スコアを取得するのがおすすめです。

ただし、単純にTOEICの高スコアを目指すよりは、本質的な英語力を身に付けた結果としてTOEICのスコアが伸びるという学習方法がおすすめです。

TOEICに興味がある方はこちらの記事(【TOEICコーチング】最高峰のコーチングスクール14選)も参考にしてみてください。

 

2-③ TOEFL iBT【留学希望者におすすめ】

TOEFL iBTは「Test Of English as a Foreign Language Internet-Based Test」の略で、アメリカで開発された英語4技能を測定する試験です。

内容は、英語が第二言語(非母国語)の人の英語を使用したコミュニケーション能力を評価する指標となります。

リスニング・スピーキング・リーディング・ライティングの4技能を総合的に評価する難易度の高いテストであり、世界中の大学や海外の企業が英語力を求める際の重要な指標です。

主に海外の大学に出願する際にスコアを求められるので、たとえば社会人でも海外でMBAを取得したい人など、海外留学を目指したい方はTOEFLの受験を検討してみましょう。

TOEFLに興味がある方は、こちらの記事(TOEFL iBTのスコアの目安は?高得点を狙いたい人は必見)を参考にしてみてください。

 

2-④ IELTS【留学希望者におすすめ】

IELTSは「International English Language Testing System」の略で、イギリスで開発された英語が非母国語である人々の英語力を測定する世界共通の試験です。

世界約150ヵ国で認められている認知度の高い試験であり、留学・就職・移住などでIELTSのスコアを求められることが多くあります。

TOEFLと同じく、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能を測定するため、日本人にとっては非常に難易度の高いテストです。

TOEFLとIELTSの違いは、TOEFLが北米の大学で基準とされることが多く、IELTSが欧州で広く使われていますが、近年ではTOEFLとIELTSのどちらも利用できる大学も増えています。

IELTSに興味がある方は、こちらの記事(IELTSは何点からすごい?スコア別の難易度や目標スコアの決め方を解説)を参考にしてみてください。

 

2-⑤ 英検【資格が欲しい人におすすめ】

英語力を示す指標となるTOEIC・TOEFL・IELTSは試験であるのに対して、英検は英語力を示す「資格」です。

履歴書の資格欄に記載することが可能ですし、一度取得すると永久的に資格が有効であるため、頑張って準1級や1級を取得すれば、ずっと英語力をアピールする資格として利用することができます。

ただし、英検は学生の受験で有効という側面が強く、社会人が英語の勉強をゼロから始めるのにあえて英検準1級や1級を取得するために時間を割くよりは、日本の企業の就職・転職・昇格・海外転勤などで重要視されるTOEICを勉強する方がコスパが高いのが現実です。

TOEICの高スコアを取得後に更なる英語力をアピールする目的で英検1級を取得するのは非常に有効ではありますので、「資格が欲しい!」という方は英検を目標としてみましょう。

    

3.社会人が英語の勉強をゼロから勉強するのにかかる時間

社会人が英語の勉強をゼロから勉強するのにかかる時間

 

目標としたい英語レベルや目指したい資格試験のイメージができたところで、社会人が英語をゼロから勉強する場合の目標を達成するまでの勉強時間を確認しましょう。

なお、ここでは社会人が日本で働きながら英語を身に付ける場合を想定した勉強時間となります。(ほとんどの社会人は留学をする時間がないと思いますので)

 

3-① 英語を話せるようになるまでの時間(CEFR基準)

まずは、ビジネスでも通用する英会話力 = CEFR B2に到達するためには、どれくらいの時間が必要になるか解説します。

イギリスのケンブリッジ大学が公表している「英語の習熟度と学習時間の関係性」を示すデータによると、CEFRの各レベルに到達するために次のと学習時間が必要とされています。

   

CEFRレベル学習時間
C2Proficiency1,000 ~ 1,200 時間
C1Advanced700 ~ 800 時間
B2First500 ~ 600 時間
B1Preliminary350 ~ 400 時間
A2Key180 ~ 200 時間
A1Movers90 ~100 時間

(参考:Guided learning hours – Cambridge English Support Site

 

このケンブリッジ大学の指標は欧州の英語力をベースに必要な学習時間を計算されており、日本人の場合はさらに3.7倍の学習時間が必要と言われています。

スペイン語・フランス語・オランダ語・イタリア語など欧州の言語は、英語と同じインド・ヨーロッパ語族に属しており、アルファベットを使用する英語と言語のルーツが同じです。

欧州の言語と英語は単語・文法・発音などの言語構造が似ているため、欧州の人は日本人よりも遥かに少ない時間で英語を話せるようになるのです。

一方、漢字や平仮名を利用する日本語は、英語とは全く異なるルーツの言語です。

日本語と英語は言語の相関性が全くないため、単語も文法構造も全く違う言語をイチから学ぶ必要があるので、欧州の人たちよりも遥かに多くの学習時間が必要となります。

上記の表の学習時間を3.7倍すると、日本人が英語を話せるようになるまでの目安となる勉強時間がわかります。

  

CEFRレベル学習時間
C2Proficiency3,700 ~ 4,440 時間
C1Advanced2,590 ~ 2,960 時間
B2First1,850 ~ 2,220 時間
B1Preliminary1,295 ~ 1,480 時間
A2Key666 ~ 740 時間
A1Movers333 ~370 時間

 

この表では少し分かりづらいので、1日の学習時間で割って何年かかるか算出していきましょう。

 

3-② 英語が話せるようになるまで最短1年

英語が話せるようになるまでに必要な時間として、CEFR C2、C1、B2のそれぞれのレベルに到達するまでの勉強時間を算出しました。

なお、日本人は中学校・高校・大学で合計約1,200時間の英語学習をするので、上の表から1,200時間を差し引いた学習時間が、社会人が英語を話せるようになるまでに必要な学習時間となります。

  

CEFR総学習時間1日1時間1日2時間1日3時間
C22,500 ~ 3,240時間2,500 ~ 3,240日
(7~9年)
1,250 ~ 1,620日
(3.5~4.5年)
833 ~ 1,080日
(2~3年)
C11,390 ~ 1,760時間1,390 ~ 1,760日
(4~5年)
695 ~ 840日
(2~2.5年)
463 ~ 586日
(1.5年)
B2650 ~ 1,020時間650 ~ 1,020日
(2~3年)
325 ~ 510日
(1~1.5年)
216 ~ 340日
(0.5~1年)

 

ビジネスで通用する英会話力=CEFR B2に到達するためには、毎日1時間の英語学習で2~3年、毎日2時間の英語学習で1~1年半、毎日3時間の英語学習をしても半年~1年はかかることがわかります。

CEFR B2と同じレベルの英語力であるTOEIC 800~900点台、TOEFL 80~90点台、IELTS 6.0台でも、同じように毎日3時間の勉強をしても、半年~1年はかかると想定しましょう。

 

3-③ 英語を話せるようになるまでの時間(アメリカの研究基準)

CEFRの基準の他に、アメリカの研究基準で英語が話せるようになるまでの必要な学習時間を確認してみましょう。

アメリカ国務省附属機関の調査では、アメリカ人にとって日本語は習得最難関レベルの「super-hard languages」と認定されています。

   

 必要な学習時間言語
Category I600-750時間デンマーク語・ドイツ語・フランス語
イタリア語・ノルウェー語。ポルトガル語
ルーマニア語・スペイン語・スウェーデン語
Category II900時間ドイツ語・ハイチ語・インドネシア語
マレー語・スワヒリ語
Category III1,100時間その他の言語
Category IV2,200時間日本語・アラビア語・中国語
広東語・韓国語

(出典 : Foreign Language Training - United States Department of State

  

英語ネイティブにとって日本語が習得最難関ということは、日本語ネイティブにとっても英語が習得最難関であることに他なりません。

英語を習得するのに必要な2,200時間から学生時代の学習時間の1,200時間を差し引くと1,000時間となり、CEFR基準と同じく、毎日3時間の英語学習をしても英語が話せるようになるまでには約1年かかることが分かります。

3-④ 英語を話せるようになるまでの時間(徳島大学の研究基準)

日本でも英語が話せるようになるまでの必要な学習時間について研究が実施されています。

徳島大学国際センターの論文(日本人の英語学習時間について)では、大学卒業後にCEFR C1、B2に到達するための学習時間が以下の通りであるとしています。

 

  • CEFR C1:約1,675時間
  • CEFR B2:約935時間

 

徳島大学の研究でも、CEFR B2に到達するまでに約1,000時間弱の英語学習が必要であることが示されています。

以上3つの研究結果から、社会人が英語をゼロからビジネスレベルの英会話力を身に付けるためには、毎日3時間の勉強をして約1年かかるというのが現実的な目安となります。

  

4.社会人が英語をゼロから勉強するのに重要なこと

社会人が英語をゼロから勉強するのに重要なこと

  

社会人が英語をゼロから勉強し直す際に多くの人が「独学」か「オンライン英会話でレッスン」という勉強方法を選択します。

ですが、いくら独学で勉強しても英語を話せるようにならなかったり、オンライン英会話で挫折してしまうのが現実です。

その理由は、英語初心者の人が英語サイトやYoutubeで聞きかじった勉強方法を基に勉強しても、効果的な学習ができないからです。

そこで、英語を身に付けるための学習方法として最も重要なことを解説していきます。

なお、ここからは「英語を話せるようになる」ことを目的として解説していきますので、資格試験目的の方は関連記事を参考にしてください。

 

関連記事

【TOEICコーチング】最高峰のコーチングスクール14選

【英語コーチング】TOEFL対策におすすめのコーチングスクール6選

IELTS対策におすすめのコーチングスクール・塾・予備校14選

 

4-① 英会話レッスンの繰り返しは効果がない

社会人が英語の勉強を始めるにあたり、ネイティブキャンプ・DMM英会話・レアジョブ英会話などの格安のオンライン英会話を利用する人が多いです。

しかし、オンライン英会話でレッスンを繰り返しても英語を話せるようにはなりません。

その理由は、英語を話せるようになるためには、前提として英語を話すための知識が必要不可欠だからです。

第二言語を効率的に習得する方法を研究する第二言語習得論によると、赤ちゃんの頃から身近にある母国語を身に付けることと、大人が新たに非母国を身に付ける過程は全く異なると考えられています。

たとえば、日本人が社会人になって海外の支店で10年働いても、ネイティブレベルの英語力を身に付けることは非常に困難です。

一方、英語圏出身の子供は10歳未満でも英語をスラスラ話すのは当たり前ですから、単純に英語に触れる年数が重要ではないことが明らかですよね。

脳がまだスポンジのように知識を吸収できる幼少期であれば、英語を聞いて、英語を話すだけで母国語が身に付いてしまいますが、日本人が第二言語として英語を身に付ける場合は、英会話レッスンで英語を聞いて、英語を話そうとするだけでは全く英語が身に付きません。

では、第二言語習得論ではどのような学習が有効かと言いますと、大量のインプット学習が必要であることが明らかになっています。

 

4-② インプット学習の重要性を理解する

言語学者のスティーブン・クラッシェンが提唱した第二言語習得論の仮説に「インプット仮説」というものがあります。

インプット仮説とは、現在よりも一段階レベルの高いインプット学習を実施することで、自然に第二言語が進歩するという説です。

簡単に言えば、単語・文法・発音などのインプット学習を継続することで、自然と英語を話せるようになるという考え方になります。

英会話レッスンというアウトプット学習は、脳内にある知識を発信する練習です。英語を話せない人はそもそも英語の知識が不足しているため、英語を話せないのは当たり前なのです。

その状態で英会話レッスンを繰り返しても上達しないのは明らかであり、まずは知識を増やすインプット学習を先にする必要があります。

つまり、英語を話せない大人が英語を話せるようになるために大切なのは、英会話レッスンというアウトプット学習ではなく、単語・文法・発音などの基礎学習を徹底して行うこと。

そして、英語を大量に読んだり聞いたりして、英語の知識を増やすことが非常に重要となります。

ただし、注意点としては、インプット学習を行う際に「理解可能な学習をする」ことが条件です。

たとえば、聞いても理解できない英語をいくら聞いても効果的なインプット学習はできませんし、読んでも理解できない英語をダラダラと読み続けても効果は出ません。

英語初心者にありがちな海外の映画やドラマを字幕なしで観たり、海外のニュースサイトをなんとなく読むという勉強では全く効果が表れないのは、まだそのレベルの理解力に到達していないことが原因なわけです。

あくまでも理解できる英語を聞いたり読んだりして知識を身に付け、徐々に難易度を上げて理解可能な英語を増やすことで、自然と英語を話せる状態になります。

従いまして、社会人が格安のオンライン英会話を受講して頑張って英会話レッスンを繰り返しても、ほとんど英語を話せるようにはならないのです。

 

4-③ 独学で失敗するのは原因の特定と解決ができないから

英語を話せるようになるためにはインプット学習が重要であり、理解可能な英語の知識を増やす段階的な英語学習が重要であることが分かりましたね。

それでは、インプット学習の順番はどのように決めれば良いのかと言えば、現時点で英語ができない原因の発見と解決を繰り返していくことが大切です。

たとえば、初心者が英語を聞き取れないといっても、「ネイティブの自然な発音が聞き取れない」「聞き取りはできるけど、意味が理解できない」「長い文章になると理解が追い付かない」「ネイティブの話すスピードについていけない」など、様々な原因があります。

このような原因を解決するためには「ネイティブの発音を身に付ける」「単語の暗記量を増やす」「英語を前から順番に理解できるよう語順に慣れる」「速いスピードに付いていくために英語のまま意味を理解できるようにトレーニングする」など、原因ごとに適切な学習が必要になってきます。

つまり、自分が英語が話せない原因を正確に分析し、その原因を解決する適切な英語学習を実施することで、少しずつ理解可能なインプット学習を増やしていくことが、英語が話せるようになるまでの近道なのです。

英語を話せない初心者は、そもそも自分がなぜ英語が聞き取れないのか、なぜ英語を話せないのか、聞き取るようになるためや話せるようになるための最適な英語学習方法が分からないため、効果的なインプット学習ができずにいつまでも英語を話せるようにはならないのです。

   

5.社会人が英語の勉強をゼロから始めるならコーチングがおすすめ

社会人が英語の勉強をゼロから始めるならコーチングがおすすめ

 

この記事の結論として、社会人がゼロから英語を勉強する際に、CEFR B2 = ビジネスでも通用する英会話力を身に付けたいならば、英語コーチングの受講をおすすめします。

 

5-① 独学では効果的なインプット学習が困難

前述の通り、英語を話せるようになるためには、自分が英語ができない原因を解決する適切なインプット学習を継続し、徐々に理解可能な英語の知識を増やしていくことが重要となります。

ですが、そもそも英語初心者は、自分がなぜ英語を聞き取れないのか、なぜ英語を話せないのか、原因を正確に特定することが難しいです。また、原因を解決するための最適な英語学習やトレーニングを選択することも困難です。

そのため、独学ではいつまでも英語を話せるようにならなかったり、オンライン英会話のレッスンを繰り返すという無駄な勉強をいつまでも続けてしまい、結果的に英語学習に挫折してしまいます。

そこでおすすめなのが、専属コンサルタントが付いて、インプット学習を丁寧にサポートしてくれるコーチングスクールです。

専属コンサルタントは受講生一人ひとりについて、英語が話せない原因を発見し、解決のための最適な学習を提案してくれます。

専属コンサルタントに常に英語学習をサポートしてもらうことで、理解可能な英語の知識を増やす最適なインプット学習を実施し、最短ルートで英語の実力を伸ばすことが可能になるわけですね。

  

5-② PDCAサイクルを回して効率よく学習

コーチングスクールでは、専属コンサルタントのサポートのもと、適切なPDCAサイクルを回すことで効率的に英語を話せるようになることを目指します。

 

PLAN(計画)レベルや目標に合わせて、最適な学習計画を策定
DO(実行)学習計画をベースに自主学習や英会話レッスンを実施
CHECK(確認)定期カウンセリングや定期テストで進捗状況の確認
課題や弱点の発見・検証
ACT(修正)発見された課題解決・弱点克服のために学習計画を修正

  

英語が話せないといっても、受講生によって「単語の知識不足」「文法の理解不足」「発音が苦手」など弱点や課題が異なります。

そこで、コーチングスクールではカウンセリングやテストで受講生の弱点や課題を分析。専属トレーナーが目標達成に最適なオリジナルカリキュラムを作成してくれます。

そして、カリキュラムに沿ってインプット学習を実施して、定期カウンセリングや定期テストで常に進捗状況を確認。弱点克服・課題解決のために学習計画を修正し、日々の学習に落とし込んでいくのです。

このように適切なPDCAサイクルを回しつつ、英語学習に関する疑問や悩みにもいつでも対応してくれるため、モチベーションを保ちながら効率的に英語を身に付けることが可能となります。

 

5-③ 第二言語習得論の理解者から指導を受ける

大切なことなので繰り返しますが、短期間で英語を話せるようになるためには、非効率的な独学や英会話レッスンを受けるのではなく、適切なインプット学習を正しいタイミングで実施することを継続することが重要です。

そのためには、日本語とかけ離れた英語という言語を効率よく身に付ける第二言語習得論の専門的な知識を持っている講師から指導を受けるのが大切です。

たとえば、後ほどおすすめするENGLISH COMPANYやトレイルなどのコーチングスクールの専属コンサルタントは、国内外の大学で言語習得論を学んだ言語習得の専門家です。

原因の発見や解決の精度が高いのはもちろん、シャドーイングやチャンクリーディングなどの独学では難しい高度な英語トレーニングを効果的に実施してくれるため、英語の伸びが他のスクールと比べても段違いに早くなります。

この記事でおすすめしているコーチングスクールは、特に言語習得に関する知識が深い講師が揃っていますので、本気で英語を話せるようになりたい方はぜひ無料カウンセリングを受けてみて、専門的なトレーニングを体験してみて欲しいと思います。

  

6.ゼロから英語を勉強する社会人におすすめしない勉強法

ゼロから英語を勉強する社会人におすすめしない勉強法

  

これから英語の勉強を始めるにあたり、節約のためにまずは独学で始めようという方も多いと思いますが、ここでは英語初心者の社会人におすすめしない勉強法を解説します。

  

6-① 参考書で基礎知識を習得【独学】

独学で勉強を始める場合は、単語帳や文法テキストを使って単語・文法の基礎的な知識をインプットする勉強が必要不可欠です。

英語を話せるようになるためには、少なくとも中学生レベルの文法を完璧に身に付け、語彙量を増やす必要がありますが、独学で単語や文法をただ身に付けるだけでは、「英語を話すための知識」として身に付かない可能性が高いです。

日本人は学生時代に1,200時間程度の英語学習をしており、受験勉強などを通して、そこそこ単語や文法の知識が身に付いているのに、なぜか英語を全く話せませんよね。

その理由は、単語を記憶するにしても、その単語を見た瞬間に意味を瞬時に理解できるようになったり、認知文法と呼ばれるコアイメージを覚えて、いちいち英語を日本語に和訳しなくても意味を理解できるレベルまで定着させる必要があるからです。

つまり、なぜ単語や文法の勉強が必要なのか、英語を話せるようになるためにはどのように単語や文法を身に付ける必要があるのかまで理解して勉強しないと、ただ単語や文法を記憶するだけで、英会話には繋がらない可能性が高いです。

そのため、効率良く英語を話せるようになりたいのであれば、独学は非推奨となります。

詳しくはこちらの記事(イングリッシュカンパニーを初心者におすすめする理由)も参考にしてみてください。

  

6-② アプリの利用【独学】

単語帳や文法テキストの他に、最近では様々な英語学習のスマホアプリが利用できます。

スマホアプリは、AIと英会話の練習ができたり、シャドーイングやディクテーションといった英語トレーニングを実施することができますが、このようなトレーニングも闇雲に実践しては効果があまり出ません。

たとえば、シャドーイングであれば、ただ音声を真似するだけではなく、ネイティブの発音と自分の発音のどこが違うのか、その違う部分はどのように修正すれば良いのか、リズム・アクセント・イントネーション・音声変化を正しく真似できているかなど、一つひとつ分析した上で、間違っている部分を修正していかないと、いつまでも英語を話せるようにはなりません。

英語学習用のアプリは、コーチングスクールでインプット学習をしっかり学習しながら、補助的に利用するのがおすすめであり、メインの手段として利用するのはおすすめではありません。

  

6-③ Youtubeなどの動画を利用【独学】

近年では、YouTubeなどの動画配信サービスで、英語学習系の人気チャンネルが数多く設立されています。

Youtubeの動画は英語を面白く学べるという有用性はありますが、あくまで興味を持つきっかけです。

ただYoutubeを見ているだけでは、単語・文法・発音などの基礎学習を網羅的に実施することはできませんので、動画を見て英語を勉強した気持になっているだけという状態には注意しましょう。

 

6-④ 洋画やドラマで英語を学ぶ【独学】

NetflixやHuluなどの動画配信サービスに加入すれば、月額数千円で洋画や海外のドラマが見放題です。

英語の映画やドラマを字幕なしで見れば英語の勉強に役立ちそうですが、基本的には難しいのが現実です。

その理由は、第二言語習得論によると、インプット学習は自分が理解できるレベルで実践しなければ身に付かないことが示されているからです。

聞いても理解できない英語をなんとなく聞き流したり、読んでも理解できない英文を読み流しても効果的なインプット学習ができないため、ネイティブのスラングや文法が崩れたセリフがどんどん出てくる洋画や海外ドラマを何本も見たところで、レベルが高すぎて英語の知識が身に付きません。

「洋画や海外のドラマを楽しむ」こと自体が目的であれば全く問題ありませんが、そのような英語学習を続けても英語を話せるようになるのは難しいので、まずは丁寧な基礎学習を心がけましょう。

  

6-⑤ 英語のラジオやニュースを聞く【独学】

前述の通り、インプット学習は現時点で理解できる英語の知識を少しずつ増やしていくことが重要です。

そのため、難しい英語のラジオやニュースを聞き流しても、英語を聞き取れるようにはなりません。

リスニングが上達するためには、英語をたくさん聞く必要があると勘違いしている人も多いのですが、英語を聞き取れるようになるためには、ネイティブが話す自然な発音の学習が必要不可欠となります。

英語をたくさん聞いても「耳が英語に慣れる」ということはありませんので、英語を聞き取れるようになるためには、発音をしっかりと身に付けるためのトレーニングを実施しましょう。

 

6-⑥ 英会話教室やオンライン英会話を受講

日本に従来存在する英会話教室や、近年では非常に人気のオンライン英会話スクールは、レッスンを提供する学習サービスです。

ですが、ここまで解説してきた通り、英語を話せるようになるためには大量のインプット学習と少量のアウトプット学習が重要となります。

英会話レッスンは英語を話すというアウトプット学習なので、英語を話せない段階で挑戦しても、そもそも英語を話す知識が身に付いていないため、非常に効果が薄い可能性が高くなります。

インプット学習は基本的に自主学習で進める必要がありますが、英会話教室やオンライン英会話では自主学習のサポートもありません。

つまり、社会人が一から英語の勉強を始めるにあたって、最も重要なインプット学習のサービスが全くないため、英会話教室やオンライン英会話の受講もおすすめしません。

もちろん、英会話教室やオンライン英会話のサービスを否定しているわけではなく、一から英語を勉強する場合には非推奨であり、すでにある程度は英語を話せる中上級者であれば、アウトプットをどんどん行える英会話教室やオンライン英会話は十分に効果的です。

 

7.社会人が英語の勉強をゼロから独学で始める場合

社会人が英語の勉強をゼロから独学で始める場合

  

まず大前提として、社会人が英語をゼロから勉強する際に、本気で英語を話せるようになりたいのであれば、間違いなくコーチングスクールの受講をおすすめします。

ただし、コーチングスクールは受講料金が約50万円前後かかるスクールも多く、受講を躊躇ってしまう人もいると思います。

そこで、独学がおすすめな人についても解説していきますので、参考にしてみてください。

 

7-① 目標がCEFR A2~B1(日常会話レベル)

最終目標がCEFR A2~B1レベルで、日常会話ができる・海外旅行を楽しめるくらいの英語力が最終目標なのであれば、独学の勉強でも問題ないと思います。

また、海外の映画やドラマを字幕なしで観れるようになりたい、海外のニュースを聞き取れるようになりたい人も独学で勉強を始めても良いでしょう。

つまり、英語を勉強する目的が「趣味」なのであれば、独学での勉強も選択肢の一つです。

趣味レベルであれば最終的に英語を話せるようにならなくてもキャリアに影響はありませんし、独学で英語を勉強すること自体を楽しむのも良いでしょう。

 

7-② 英語学習に何年かけても大丈夫

英語コーチングスクールの受講をおすすめするのは、3ヶ月~6ヶ月という短期間でビジネスでも通用する英会話力を身に付けたり、英語力を大きく伸ばすためです。

英語が話せるようになってキャリアアップを目指す場合は、少しでも目標達成が早い方が良いですし、確実に英語を話せるようになる勉強をするのが感じです。

一方、英語を話せるようになりたい時期が決まっていない人で、3年後、5年後、10年後に少しでも英語を話せるようになれば良いという方であれば、独学で少しずつ勉強するのも良いでしょう。

 

7-③ 英語と仕事が関係しない

グローバルな企業に勤めていたり、就職や転職で英語を使う企業を目指していたり、英語力を上げて年収を上げたいなど、英語力がキャリアと直接関係するのであれば、英語コーチングを受けてしっかりと英語を勉強して、理想のキャリアを実現することがおすすめです。

一方、特に英語を勉強する目的と仕事のキャリアが関係なく、英語を話せるようになる必要がない場合も独学が選択肢の一つになります。

つまり、「ビジネスレベルの英語力は必要ない」「英語を短期間で身に付ける必要がない」「必ず英語を話せるようにはならなくてもいい」など、短期間で効率的に英会話力を伸ばす必要はない方は、コーチングスクールの受講ではなく、独学での勉強も視野に入れてみましょう。

 

8.社会人が英語をゼロから勉強をする場合【独学】

社会人が英語をゼロから勉強をする場合【独学】

 

さて、日常レベルの英会話力を身に付けることが目標の方や、どうしても英語スクールに通う金銭的な余裕がない人は、独学で勉強するの選択肢の一つです。

独学で英語の勉強をする場合、最も重要なことは英語学習の順番を間違わないことです。

具体的には、第二言語習得論において、非母国語の言語を学ぶ順番は以下のような図で表わせます。

  

基礎知識0基本文法・基本語彙
レセプティブ
スキル
(受容能力)
リーディング1ゆっくり読めば理解できる
2素早く読める
リスニング3音声知覚ができている
4理解の処理が素早くできる
5記憶にとどめておける
プロダクティブ
スキル
(産出能力)
スピーキング
ライティング
6正確に話し、書くことができる
7流暢に話し、書くことができる
8複雑に話し、書くことができる

 

英語を話す能力は、知識をアウトプットする行為です。

知識をアウトプットするためには、まずは英語を読む・聞くというインプット学習で英語の知識を習得しなければなりません。

さらに、読んで理解できない英語を聞き取っても理解できないのは当然なので、まずは読解に必要な単語・文法を最初に学ぶべきであり、読んで理解できるようになった英語を聞き取るために発音を学ぶ必要があるのです。

このように、英語を話せるようになる目標を達成するためには、常に自分のレベルに合った最適な学習を実施することが大切となります。

そして、社会人が英語をゼロから勉強する場合は、単語・文法・発音という基礎学習が必要不可欠です。

 

9.社会人が英語をゼロから勉強【単語】

社会人が英語をゼロから勉強【単語】

 

社会人が英語をゼロから勉強する場合、単語・文法・発音の基礎学習が重要ですが、その中でも単語は英語4技能全てにおいて必要な最も基礎的な学習となります。

  

9-① 英語を聞き取るために単語の語彙が必要不可欠

英会話は流れでするものです。

英語を聞き取ってから「この単語の意味ってなんだっけ」と考え込むようでは、すぐに英会話についていけなくなります。

つまり、単語を聞き取った瞬間に意味を理解できるまで、徹底して単語を記憶する必要性があります。

さらに言えば、英単語をいちいち和訳して理解しようとするのもリスニングが遅れる原因となります。

単語を見たり聞いたりした瞬間に意味がパッとイメージできるまで、繰り返し単語を勉強して脳に定着させましょう。

   

9-② 英単語の学習方法

英単語の学習は、一冊の単語帳を繰り返すのがおすすめです。

脳の性質上、短い期間で同じ単語に何度も出会うほど記憶に定着しやすくなります。

心理学者のエビングハウスが提唱する忘却線において、一時的な記憶は一時間後には56%忘れ、一日後には「66%」忘れると言います。

ですが、毎日復習することで記憶への定着率を上昇させることが可能となるのです。

たとえば、1日に100個の単語を覚えて毎日復習したり、朝、昼、晩と1日に3回単語の勉強をするなど、短期間で何度も何度も同じ単語を勉強するのが記憶のコツとなります。

 

9-③ 社会人におすすめの英単語帳

クラウドソーシングを利用して、社会人になってから英語学習をやり直している人を対象にアンケート調査をしたところ、使用している英単語長の割合は以下のグラフの通りとなりました。

  

(ReLife独自調査・有効回答86人)

  

1位が旺文社の「ターゲット1900」、2位がアルクの「キクタン Basis」、同率3位が朝日新聞の「金のフレーズ」とZ会の「速読英単語」となりました。

英単語帳は複数冊を頑張って暗記するよりは、一冊を完璧にマスターする方が遥かに効果的です。

自分に合う単語帳ならなんでも良いので、独学で頑張る場合はこの辺りの単語帳を一冊買ってみて、まずはその単語帳をマスターするまで徹底的に繰り返し勉強しましょう。

  

10.社会人が英語をゼロから勉強【文法】

社会人が英語をゼロから勉強【文法】

 

次に独学で文法を勉強する大切さについて解説していきます。

  

10-① 文法が正確でなければ伝わらない

英語はスペイン語・フランス語・イタリア語などと並んでインド・ヨーロッパ語族に属する「語順支配型」の言語です。

アルファベットで構築された主語・述語・目的語などの単語が並ぶ順番が重要で、この順番が正確でなければ意味が成立しません。

たとえば「I like football」は通じますが、「Like I football」「Like football I」「Football I like」は全く意味が通じないのです。

一方、日本語は「てにをは支配型」と呼ばれる言語となります。

主語・述語・目的語の語順を崩しても、助詞の「てにをは」さえしっかりしていれば、意味は伝わる言語構造になっているのです。

「私はサッカーが好きです」「好きです、私はサッカーが」「好きです、サッカーが私は」「サッカーが私は好きです」

どれも意味が通じますよね。

日本人は言語の特性上、文法をあまり意識しませんが、英語は文法のミスが致命的な問題になるため、頑張って英語を話しているのに全く相手に伝わらないという状況に陥ってしまうのです。

英語を話せるようになるためには、まずは英語の文法をしっかりと身に付けることがとても大切なのです。

  

10-② 文法が身に付いていないと聞き取れない

文法はスピーキングだけでなく、リスニング能力にも大きく関わっています。

前述のとおり、英語と日本語は語順が明確に違います。

英語は主語・述語の後に目的語などの装飾語が付いてきますが、日本語は主語・目的語述語の順番です。

つまり、英語の一文をまるまる日本語に翻訳するためには、英語を全て聞き取ってから和訳する必要性があります。

ですが、そんなことをしていては英会話に全くついていけません。

リーディングならば何度も繰り返し読み直すことができますが、英会話の場合は相手の英語が終わってから日本語に翻訳して理解しようとすると、会話のテンポが非常に悪くなりますし、長い文章の会話になると相手の話を理解できなくなってしまいます。

英会話で問題なく英語を聞き取れるようになるためには、英語を英語の順番で理解する力が必要になるので、文法構造をしっかり勉強して、英語の語順で理解できる力を身に付ける必要があります。

 

10-③ 社会人におすすめの文法テキスト

文法テキストについても、勉強をやり直している社会人を対象にアンケート調査をしました。

使用率が高い文法テキストを参考にしてみてください。

  

(ReLife独自調査・有効回答86人)

 

1位が桐原書店の「Forest」、2位がアルクの「キク英文法」、3位が桐原書店の「Next Stage」、4位が東進ブックスの「一億人の英文法」となりました。

受験などで英語を勉強したことがある方は、これらの参考書を持っている方もいると思います。

文法テキストも単語帳と同じく、何冊も買って頑張るよりも一冊を極めた方が英語力が伸びます。

基本的な英文法を独学で学ぶ場合は、これらの文法テキストを一冊買って、その一冊を徹底的に勉強しましょう。

  

10-④ 認知文法を身に付ける 

文法の学習でおすすめなのが、認知文法と呼ばれる手法です。

文法が持っている「コアイメージ」を理解することで、一つ一つの英文法を丸暗記しなくても、イメージから意味を理解して使いこなせるようになります。

たとえば、「come out」という動詞+前置詞の塊ですが、辞書で調べてみると「~という結果になる」「姿を現す」「出場する」「発芽する」「出版される」などなど、ニ十個くらいの日本語訳があります。

たった一つの熟語に十個もニ十個も日本語訳があって、それをと一つずつ記憶していたら時間がいくらあっても足りませんし、英語が話せるようにもなりません。

では、どうするべきかといえば、「come out」には「出てくる」というコアイメージがあり、このコアイメージを頭に入れておくのです。

そうすれば、「They'll come out ahead in the competition」という英文も「優位に立つ」「得をする」といった日本語訳を記憶しなくても、「出てくる」コアイメージがあれば競争から前に出てくるイメージで、競争の優位に立つという意味が自然と理解できるわけです。

「The stain on his shirt will come out」も同じで、「汚れや染みが落ちる、消える」という日本語訳を記憶しなくても、シャツから染みが「出てくる」というコアイメージさえ掴んでおけば、シャツから染みが落ちるという意味がすぐに分かります。

このように英語のコアイメージを理解しておくことで、文法が自然と身に付いていきます。

 

11.社会人が英語をゼロから勉強【発音】

社会人が英語をゼロから勉強【発音】

 

最後に、単語・文法と並んで発音を勉強する重要性と学習方法についても解説していきます。

 

11-① 発音はリスニングに重要

ネイティブのような自然な発音はスピーキングに関わると思われるかもしれませんが、実は発音はリスニング能力に関わります。

初心者が簡単な英語さえ聞き取れないのは、聞き取った英語の音と知識として知っている発音に乖離があることが原因です。

たとえば、「first of all」は「ファースト オブ オール」と発音する人が多いですが、実際の英会話では「ファストバゥル」と発音されます。

この時、firstのtとofのo、ofのfとallのaの音が連結し、更にofは「オ」ではなく「ア」に近い発音に変化します。

このように音声変化した結果、お祭りの「festival」に似た発音になるため、「First of all」が聞き取れずに「フェスティバル? お祭り?」と頭が混乱してしまうわけです。

自然な英会話では音の連結・脱落・変化が単語レベルで発生するため、実際の発音を知らなければ、簡単な英語でさえ全く聞き取れないのです。

 

11-② 音声変化を理解する

具体的には、自然な英会話では次のような音声変化が起こります。

  

 内容
音の連結
(リンキング)
2つの音が繋がるwhat I :「ワット アイ」
⇒ 「ワッタイ」
音の同化
(アシミレーション)
2つの音が繋がり、
音声変化する
want to:「ウォント トゥ」
⇒ 「ワナ」
音の脱落
(リダクション)
発音が省略されるgood morning:「グッド モーニング」
⇒ 「グッ モーニン」
フラップのt
(ら行化)
tの音が「ラ行」や
「ダ行」に変化
get out:「ゲット アウト」
⇒ 「ゲッラウト」
弱形弱く発音されるhim:「ヒム」
⇒ 「ィム」

  

英会話で英語を聞き取るためには、英語を聞く学習ではなく、英語の発音を覚える勉強から始めることが重要なのです。

   

11-③ 発音の学習方法  

独学で発音を勉強する際におすすめなのは、フォニックスやIPAなど発音の基礎を丁寧に学ぶことです。

  

フォニックス英語圏の子供が英語の読み書きを学ぶために
開発された発音と文字の規則
IPAæやɑのような国際発音規則

   

アルファベットの発音を舌の動き・唇の形・息の吐き出し方など基礎から学び、正しい発声方法を理解することで、その発音を聞き取れるようになります。

また、発音を身に付けるトレーニングの一つにシャドーイングがあります。

シャドーイングは英語の音声とほぼ同時に真似をして話すトレーニングで、イントネーション・リズム・アクセント・音声変化が身に付くため、有用な発音トレーニングとなります。

しかし、英語初心者が独学でシャドーイングを実施するのはおすすめしません。

シャドーイングは正しいやり方で実施すれば効果が高い反面、初心者が自己流でやると間違った発音が身に付いてしまったり、自分の発音のどこが間違っていて、どのような発音が正しいのか分からずに全く効果が出ない可能性が高いです。

シャドーイングを実施する際は、せめて英語学習のアプリを利用するなどして、音声添削のフィードバックを貰うようにしましょう。

   

12.社会人が独学で英語の勉強をゼロから始めるコツ

社会人が独学で英語の勉強をゼロから始めるコツ

 

社会人が英語をゼロから独学で勉強しようとしても、多くの方は英語を話せるようにはならずに挫折します。

そこで、独学の英語学習が上手くいくためのコツも紹介しますね。

 

12-① 目標と目的を明確にする

人間は具体的な目標を持っている時と持っていない時のモチベーションの差が非常に大きい生き物です。

目標が明確でない場合、なんのために英語学習をしているのか分からないため、やる気が出ないのも自然な話ですよね。

「憧れの会社に入る」という目標を達成するために「TOEIC900点以上」を目指す。

「海外転勤」という目標を達成するために「ビジネス英語の習得」を目指す。

「昇格して年収を上げる」という目標を達成するために「TOEIC800点以上」を目指す。

このように具体的な目標を掲げて英語学習に邁進することが、モチベーションを維持して取り組む一つのコツと言えます。

  

12-② 期限を明確にする

目標と目的を達成するまでの期限を明確するのも重要です。

半年後に英語をある程度は話せるようになりたいのか、1年後でも問題ないのか、特に期限を設定する必要はないのか、目標と目的によって変わってきますよね。

英語を話せるようになる期限やTOEIC 900点を取得する期限を明確にすることで、毎日の英語学習時間の目安が決まり、1日1日でどれほど勉強を進めていけば良いのかも明確になります。

目標・目的とあわせて期限もハッキリとさせて、毎日やることを明確にすることが、英語学習に挫折しない重要なコツとなります。

 

12-③ 適切な方法で継続学習する

前述の通り、英語を話せるようになるためには適切なインプット学習を続けることが必要不可欠です。

第二言語習得論で明らかになっているとおり、まずは単語・文法・発音という基礎学習を徹底して行い、英語を話せるようになるための知識を増やすことがとても大切となります。

単語・文法・発音という基礎をベースに、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングのスキルを上げるために必要な学習を継続することが正しい順番となるので、いきなりオンライン英会話に挑戦・いきなり難しい英語トレーニングを実施するなど、闇雲に独学をするのはやめましょう。

  

12-④ 無理な勉強量を設定しない

英語を勉強する目標・目的・期限を決めたものの、短期間で英語を身に付けようとあまりに無茶な英語学習をすると、すぐに挫折してたり、途中で燃え尽きてしまう可能性があります。

「毎日オンライン英会話をする!」と意気込んでスクールに入会したものの、1ヶ月も経たないうちに挫折してしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、英語を身に付けるためには相応の学習時間が必要なため、目標達成期限が期近に迫っている人は、毎日の英語学習は必須です。

そこで英語コーチングスクールの中でも、ENGLISH COMAPANYやSTRAILのような「英語学習の効率化」を実現しているスクールの受講がおすすめです。

普通に英語を勉強するなら1,000時間が必要なところ、ENGLISH COMPANYやSTRAILでは700時間、500時間と短縮してくれる高濃度トレーニングを実施してくれます。

独学の非効率的な勉強では、仕事で忙しい中で毎日3時間の勉強が必要になるとしたら、途中で挫折してしまうのも無理はありません。

一方で、効率的な英語学習を可能とするコーチングスクールを受講することで、毎日1~1.5時間の勉強でも同等以上の結果を出すことができれば、挫折することなく毎日勉強を続けられる可能性が高まります。

 

12-⑤ 自己分析を正しく行う

英語学習において一つ大切なことは、英語ができない「原因」を明確にし、原因を「解決」するための学習を実施することです。

英語が聞き取れないができないのであれば、発音が身に付いていないのか、単語量が不足しているのか、文法構造の理解が足りないのかなど原因を特定して、発音のトレーニングをする、語彙を更に増やす、文法を勉強し直すなどの最適な勉強をしましょう。

なんとなく、海外の映画やドラマを見たり、英語学習系のYoutubeを見たり、英語のニュースを聞き流しても、英語は全く聞き取れるようにはなりませんし、レッスンを繰り返しても英語を話せるようにはならないということをしっかり理解して、自分にとって適切な英語学習を実践してください。 

  

12-⑥ 英語学習の習慣化

人間の脳は覚えた短期記憶を1時間で約54%以上、1日で約76%失うと言われています。

この短期記憶の喪失を防ぐためには、できるだけ短期間で何度も同じ内容に触れる必要があります。

単語を覚えるのであれば、朝に一度単語を覚えて、夜にまたもう一度同じ単語を思い出すというように、繰り返しの英語学習の習慣化が効率的な英語学習につながるわけですね。

休日の土曜日だけ10時間勉強するといった勉強法では効果が出ずに挫折してしまう可能性があります。

毎日1時間だけでも勉強する方が記憶の定着率が遥かに良くなりますので、英語をできるだけ早く話せるようになりたい場合は、毎日の英語学習を習慣化させましょう。

  

13.まとめ:社会人でもゼロから英語は身に付けられる

まとめ

 

英語を短期間で効率的に身に付けるためには、正しい順番・適切な方法で学習を継続することです。

順番や方法を間違えたまま続けても非効率で時間がかかってしまいますし、モチベーションも下がってしまいます。

もちろん独学でも良いですし、独学に自信がない方や確実に結果を求めたい方はコーチングスクールの受講を検討してくださいね。

せっかく英語学習を始めようという強い気持ちがあるのであれば、最高の環境で最高の結果を出しましょう。

 

関連記事

【英語コーチング】安いのに高品質なスクール8選|オンライン対応

【TOEICコーチング】最高峰のコーチングスクール7選

    -英会話